云いたいことが増えてきた?
うちの施設で検査の手助けをしてくれている学生さん。とても優秀だというはなしを昨年書きました。今年も毎週来てくれていてとても助かっています。そんな彼の大きな声がわたしの診察室にも聞こえてきますが、ちょっと変わってきたのに気づきました。明らかに単語の数が多くなっています。以前はもっとシンプルだったのに、受診者の皆さんひとりひとりに説明することば数が多くなり、その分流れるように早口になって、そのために昔より少し聞き辛くなってきたかな、という印象です。きっと、現場で仕事をしているうちに、こう云った方がわかりやすいだろう、これも云ってあげた方が相手はうれしいだろう、と気づくことが増えてきて、それを限られた時間内に云ってしまうためにはどうしても無駄なく早口に詰め込むしかなくなったのでしょう。
わたしがよく依頼される生活習慣病の講演も然りです。初めて依頼を受けた当時から比べたら内容が倍増しています。せっかくならもっと分かってもらいたいこと、理解してもらいたいこと、新しい提案などが講演をするごとに増えていきます。パワーポイントのスライドは倍増しているのに講演時間は限られていますから、早口になってしまって・・・毎回反省しきりなのです。
シンプル・イズ・ベスト!きっと、云いたいこと、云うべきことの倉庫の中からさらに選び抜いた最低限の材料で話すことこそが重要で、その域に達して初めて聴衆の多くがきちんと感銘を受けて理解してくれるのでしょう。まだまだ修行が足りません。
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コメント
私の合気道の師、斎藤 守弘先生は口下手ですが分かりやすいシンプルな指導で定評がありました。
講習会である弟子に技が効かなかったらどうするんですか?と質問されたとき、一言、
「殴りゃいいんだ」
開祖の道歌について質問されたときは、
「知らね」
それでみんな納得してました(笑)。言葉数の多さ、理論の緻密さではなく、「言霊の強さ」なんでしょうかねえ。武道界も医療界もそんな方は少なくなりました。
投稿: コン | 2011年5月23日 (月) 11時08分
コンさん
なるほど。
勉強になります!
投稿: ジャイ | 2011年5月24日 (火) 06時28分