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またけさんへ

またけさん、お久しぶりです。お元気で日々頑張っていますか?昨日のご質問に対して一言書いて見ますが、とても不勉強で、わたしも遠州病院の橋本先生の発表内容については日経メディカルオンラインの学会ダイジェストを読んだくらいの情報しか知りません。あまりきちんとお返事できないかもしれませんけど。

たしかに体内を循環する水分量や重さの負荷量が違う小柄な男性と大男とが同じ塩分制限量の指標ではおかしいだろうという感覚的なことは理解できますし、その仮説を検討して実際に証明されたということにも理解できます。もっとも、「総摂取量に相関がなくて、体重10kgあたりの摂取量にだけ相関があった」と云っているわけではないので、極端に体重の軽い例を除けば、あまり塩分指導現場で考え方を変える必要はないように思います。

むしろこの発表を読みながら思ったことは、メタボが絡む高血圧とそうではない高血圧の病態は基本的に違うものだと考えるべきだろうということです。高血圧治療薬のメタボサルタンの考え方が現代社会では重要になってきていますが、これはメタボを合併した高血圧の治療の考え方です。メタボ系の肥満になると内臓脂肪が肥大し、そのためにインスリン抵抗性が進行して一気に高血圧が助長されますし、その過程においてはナトリウムと水分吸収の増加を招いてさらに高血圧になります。でも、それと元々の家系的な(ナトリウム感受性の)高血圧とは区別して考えないと、指導が混乱するのではないかという懸念があります。メタボに伴う高血圧は減塩より減量の方が明らかに有効なはずですが、メタボではない高血圧は厳重な減塩が奏功するはず・・・今回の研究でも、単なる体重で分けてしまうからあまり強くない相関係数になるけれど、同じ体重でも内臓脂肪量によって振り分けたら、その差がもっと明確になったのではないか、などと考えたりもしました。

ん?これ、まったくもって質問の答えになっていませんね。今度、意味が分かったら、わたしにも是非教えてください(笑)。

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