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「受動喫煙に閾値なし」

5月31日はWHOの定める世界禁煙デー(うちの病院でも講演会が行われました)ですが、5月28日に東京で行われた「2011年世界禁煙デー記念シンポジウム」の模様が、MedicalTribuneに載っていました。

テーマである「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」(FCTC)とか、「たばこの煙にさらされることからの保護に関するガイドライン」とか、初めて耳にする人は多いのではないでしょうか(少なくともわたしは、耳にしたかどうかは定かではありませんが、初めてアタマに入りました)。座長の望月氏が「過去100年にわたってたばこ産業を保護してきたが、FCTCに批准したことで、初めて国民の命を保護するというスタンスに変わった」と国を持ち上げたのは、厚労省が共催だったからかしら。タバコのパッケージに諸外国のようなえげつない写真を載せる気がないのも、「データの詳しくは厚労省HPへ」ということばで絶対アクセスしないように逃げているのも、タバコの税収は莫大なのだからタバコの売り上げが落ちると困るんだ!と国はことある事にそう言い切っています。

このシンポジウムのパネルディスカッションでも話題になった「受動喫煙」についてだけは、もっと主張しなければならない時代になったように思います。「分煙させるために店に改修工事を強いるのは不公平だから全面禁煙にすればその金は要らない」と云うのはちょっと無理がある気がしますが、それでもレストランの全面禁煙を行ってみたら心筋梗塞の入院患者数が明らかに減ったという外国のデータは、そのままタバコを吸わない人が影響を受けていることを示しています。受動喫煙で関係ない人の遺伝子にまで傷をつけることになる可能性があるなどという研究も始まろうとしているそうです。

原発事故で大気が微量放射能に汚染されていると云って、いまだにテレビのワイドショーで意味の分からない数字を毎日並べて騒いでいるのに、どうしてタバコの煙で充満している空気の中でタバコを吸わない人が侵されていることに異議を唱えて騒ぎ立てする人が少ないのか、不思議というよりも、ちょっと奇異な国民だと思います。

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