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動脈硬化とコレステロール

高齢者に対する脂質管理、および閉経後女性の脂質管理、この2つの問題に対する議論は、集約されるどころかかえって混沌としてきている印象があります。

第11回日本抗加齢医学会総会のランチョンセミナーで、東京大学の秋下雅弘先生が、高齢者に対する脂質管理の重要性をレクチャーしてくれました。高齢者ほど動脈硬化の高リスク群であるにもかかわらず、しかも多くの人が健診後などに内科を受診するにもかかわらず、その約半数の人は薬剤治療を受けていないのだそうです。たしかに、たとえわが国の大規模臨床試験であるMEGA Studyが「日本人の高齢者ほど、特に閉経後女性ほど心筋梗塞になりやすい」という事実を示していても、あるいは内服治療がそのリスクを有意に減らしてくれたという結果が示されても、やはり内科医の薬剤使用に対する意見は半々のままだという印象があります。「『生活習慣の改善だけしておけば良い』という間違った考え方を正して、より多くの人にきちんと薬剤治療を受けさせてほしい!」と力説する秋下先生の話を聴きながらも、ちょっと複雑な心境です。

わたしたちは健診医であり、直接治療する立場にないので、「薬をもらうべき」という云い方はなかなかできません。逆の考え方や根拠を持って積極的に薬剤を否定している医者も少なくないことも知っています。ですから、「病院やお医者さんをウロウロせず、この先生の云うことは信用できると感じたら、その先生の意見に従うのが一番良い方法なんじゃないかしら」としかアドバイスしないことにしています。やはり、米飯論争と同様に、高齢者や女性のコレステロールに対する内服治療の要否についても、何とかもう少し明確な決着がついてほしいものだと思っています。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

学会のお話。興味深く読ませていただきました。 それにしても…毎日更新なさって、グレードの高い文章を書かれて。すごい…と思います。つまらない文章を書いている方は、結構いますけど。…つまらない、といえば。先日、『笑う会』の会長さんとお目にかかる機会がありました。笑って免疫力を…ってやつです。会っていきなり輪ゴムを渡されて、引っ張ってくれ…と。へ?「僕がこっちを持ってるので、引っ張って下さい」引っ張ると、今度は、はなせ、と痛いですよ?いいからはなせ!と思いっきり引っ張ってはなす。パチン!「あ、痛かった。会いたかった」と握手を求められて、久しぶりに固まりました。まわりには笑っている人もいましたが…私は眉間にシワが寄ってしまいました。全然笑えん。中国の要人に会った時にもこのパフォーマンスをしたらしいんですけど。日本の笑いのレベルが疑われる気がして。。。なんかくやしい…です。

投稿: 向日葵 | 2011年6月 4日 (土) 00時19分

向日葵さん

おはようございます。
いつもお付き合いいただいて恐縮至極です。

笑いの会、昔私も入会を真剣に考えていました。
その下らなすぎる駄洒落を、考えただけじゃなくて、「くだらねー」と吐き捨てられるのを想定した上でやってのけるところが、さすがは会長さん!ですね。

投稿: ジャイ | 2011年6月 4日 (土) 06時19分

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