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恥ずかしかっですよ

「わたしの父は重症の糖尿病で、そのためにわたしは子どもの頃からかなりしっかりと食事の管理をさせられてきました。運動も積極的にやってきたし体重管理もしっかりしてきました。・・・なのにこの結果で、わたし本人だけでなく、親もとても落胆しています。何が悪いのでしょうか?」

それは38歳になる糖尿病の男性で、健診結果説明のときにしみじみと語り始めました。筋骨隆々としたがっしりとした体格の好男子でした。空腹時血糖が144、75g糖負荷検査2時間値も250近く完全なる糖尿病ですけれど、2~3ヶ月の平均点であるヘモグロビンA1cは5.8%で、ここ数年ほとんど変化はありません。

わたしは冷静に糖尿病体質の方の自然経過について説明しました。ヘモグロビンA1c5.8%をキープできているということは「とても素晴らしいコントロールの糖尿病」ということになります。それだけの管理をきちんとしてきたからこそこんな良いコントロールなのだから自信を持ってください、と励ましました。「ただ、今後年齢とともに生活療法だけではうまくいかなくなる可能性があります。そろそろかかりつけ医を作っておくことをお勧めします。あなたの家の近くにはHクリニックがありますよね。H先生はとても良いアドバイスをしてくれますよ。」・・・わたしの話を理解してはくれましたが、彼の返事がすっきりしません。「病院にはかかりたいけど、だらしないと思われるのがイヤで・・・。H先生もクリニックのスタッフも良く知っているので、自分がこんな病気だというのを知られるのは恥ずかしかっですよね~。」

やはり、まだまだ偏見の多い病気のようです(彼は子どもの頃から教育を受けているので返って昔の概念のままでいるのかもしれません)が、医療者はその原因も病態もわかっています。しっかり頑張っていることはデータを見れば一目瞭然ですので、もっと胸を張って病院を受診してほしい、と後押ししておきました。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

先生の言葉が
ストン っと腑に落ちる

そんな日が
必ず来ると思います

投稿: hana | 2011年6月19日 (日) 22時47分

hanaさん

コメントをありがとうございます。
わたしもそれを強く願っています。

ただ、彼に対して、かつて医療機関の誰かが、「こんなに若いのに糖尿病になってしまうなんて!」などという心無いことを云ったりしたのではないかと懸念しています。

投稿: ジャイ0425 | 2011年6月20日 (月) 06時26分

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