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「諦めと風化」

別の機関誌掲載コラムの今月号が出ましたので転載します。こっちは以前に書いたことのあるものの並べ直しです。

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『予防医学』の求めるものは、病気を早期発見するという意味の「二次予防」や病気にならないようにするという意味の「一次予防」の域を通り越して、今や「アンチエイジング(抗加齢)」の時代になろうとしています。アンチエイジング・・・一昔前には、健康オタクか怪しい企業の謳い文句の印象でしたが、”健やかに老いる”という考え方はここ数年でしっかり市民権を得てきた感じがします。

『老化』には、「さびる」「しぼむ」「風化する」という3つのポイントがあります。酸化ストレスによる身体の酸化(「さびる」)、細胞の数や重さの減少(「しぼむ」)、そして生き甲斐がなくなる・生きる目的を失う=精神的な弱体化(「風化する」)の3つです。このどれか1つでも起こると老化が進みます。つまりアンチエイジングのためには、「食べること」と「動くこと」への注意だけでなく、「生き甲斐を持つこと」が必須なのです。私の場合、こういう仕事をしているおかげで食事や運動については自分なりに頑張っているつもりですが、たしかに「風化」は難敵です。精神科医の和田秀樹先生が「体力の老化は、感情の老化から始まる~諦めたり我慢したりすることが”感情の老化”を招く」と言う言葉をよくご自身の著書で使っていますが、これが今の私には妙に響いています。ほんの5年ほど前には、仕事もプライベートももっと軽いフットワークで何でもこなせたのに、最近頓に重くなってきた気がするのは、ここに問題があるのかもしれません。

先日、ひとりの女性がわたしを尋ねて来られました。半年前に、「つまり、おんなを取り戻せってことですね!」と言って帰っていったブライダル関連の経営者のこの女性のことはよく覚えています。たしか、人間ドックの結果を説明する時に、「あのステキなドレスを着たい!あと2号小さなスカートを穿きたい!みたいな目標を持ちませんか?」とお話したのです。「今までいろいろなダイエットをやってみたけどちっとも変わらなかった。そんなわたしのココロが、あの時先生と話しているときに変わりました。今まで自分を捨てて必死で仕事に打ち込んできたけれど、仕事は全部ダンナに押し付けて、わたし、もっともっと若返ってみせますよ!」・・・半年で7kg以上やせたということよりも、表情がとても華やいで若々しく見えたのが印象的でした。「諦める」が老化の最大の敵であることを知り、「自分がきれいになる」ことを愉しめるようになった彼女は、本当にうれしそうでした。

いかがですか?”健やかに老いる”・・・食事や運動への努力以上に重要なこと=生き甲斐のある人生を送れていますか?  若くして、すでに「風化」してしまってはいませんか?

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コメント

ジャイ先生こんばんは。 年齢を重ねても、ときめきや切なさは失いたくありません。私は28歳の時にサミュエル・ウルマンの『青春とは一定の期間をしめすのではなく、心の有様をいうのである』…という「森田公一とトップギャラン」を全否定したかのような言葉に出会い、ハートは28歳で止めました。

投稿: 向日葵 | 2011年7月21日 (木) 21時32分

向日葵さん

こんばんは。台風の影響はありませんでしたか?
私も、これからも向日葵さんに負けないくらいときめいてみせますよ~♪

投稿: ジャイ0425 | 2011年7月21日 (木) 22時26分

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