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サマリー

研修医のころから、わたしは退院サマリーをきちんと書く医者でした。それも退院の当日か翌日までには仕上げてしまうのが常でした。性格でしょう。急性心筋梗塞患者さんの場合は5ページくらい書くのが当たり前でした(心電図の経過スケッチも含めて)。今はどこでもパソコン管理ですので、キーボードを打って訂正や追加ができますが、昔は全てが手書きの複写でしたから、間違いをすると一から書き直しすることもしょっちゅうでした。「ああ、あなたが○○先生ですか。退院サマリーをいつも詳しくきちんと書いてある先生でしょ。すごいなあと尊敬しています。」・・・かなり後輩の若い先生からそんなことを云われると、嬉しくて、陰でこっそりほくそ笑んでいたこともあります。

でも、今になって良く分かります。サマリーはサマリーでなければ意味がない、ということを。この患者さんはどんな経緯で今に至っているのか?を簡単に知りたくて急いでカルテを取り寄せたというのに、そこに数ページに及ぶ大作のサマリーが綴られていたのではウンザリです。サマリーはできるだけ短く簡潔に、それでいて後でチェックすべき内容が誰が見ても分かるように表現されていなければなりません。最近はデータベース的なレイアウトのフォーマットに入力するので、自ずと内容を短くせざるを得ませんが、あれはかなり頭を使わないと書ききれないなと思います。

昔のカルテに残っている私の退院サマリー・・・できるだけ早く保存義務期間が終わって破棄されることを、根暗にそっと願っております。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

ジャイ 先生

おはようございます。

毎々、屁理屈でお返し致しまして、恐縮千万です。

しかし・・・スゴイ先生とお知り合いを戴けたものですね。

私は面倒がり屋のズボラ人間なので、真似所か足元にも及びません。

ご縁がありまして、今年も院生6名程お預かりしておりますが、
東北大学の博士論文に関して「100ページの論文より、半ページのレポート」と云う不文律がありまして(有るようでして)、如何に端的に! が基本の様です。

実際、名だたる先輩先生方のをかいま見ますと、
1~数ページのが結構ありまして、一文字たりとも無駄がありません。

まさに先生本日のテーマその物と感心致した次第でございます。

前回も書かせて頂きましたが、最近の学生はパソコン時代なので、
コピペよろしく、中身よりもイタズラにページ数のみが増えている傾向にあります。

先生同様、我々の時代は「手書き」世代なので、ページの多いのは余り好みませんですね。


余談ですが、当方今回の被災復興、キーボートーとマウスがいかかに無力かが、皆実感する羽目となりました。

ベーシックは手とスコップ、体力、気力である事を。

              屁理屈男の asuka3h 拝

投稿: asuka3h | 2011年7月 1日 (金) 09時45分

asuka3hさん

毎回お読みいただいて、恐縮至極です。
サマリーをコピペして(特に既往歴や昔の現病歴というものは変わりませんから)その後に今回の入院のエピソードを付け足すというのが、最近のサマリー事情の様ですが、入退院を繰り返す人の場合はどんどん書ききれなくなります。書ききれなくなった文章をどうやって限られたスペースの中に納めるか・・・文字数を減らすのではなくフォントを限りなく小さくしていくわけです。もはやそこに存在する印刷物は、内容を後人に伝えるものではなく、書いたという証の意味しかなかったりします。こういう本末転倒な現状は、おそらくトップが喝を入れないとしょうがないのでしょうが・・・。

先日いただいたDVD、忙しさにかまけてテーブルに置いたままになっていました(学生時代から、資料が手に入ったらそれで終わった気になる習性が治りません)が、昨日健診結果の説明をしていたら「テレビでサーテュなんとかという遺伝子の話を見て気が重くなりました」と受診者から切り出されました。「何かアドバイスをください」と言いた気に。この週末にはDVD見ておかなければ!

投稿: ジャイ0425 | 2011年7月 1日 (金) 19時28分

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