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延命的治療

第11回九州予防医学研究会オータムディスカッションの基調講演で済生会熊本病院腫瘍内科の境健爾先生のお話を聴きました。緩和ケアのプロでもある境先生の話しぶりはとても穏やかで、スムーズに頭に入ってくるその話の中から気になったことをいくつかメモして帰りました。

がん治療は、「積極的治療(根治治療)」→「延命的治療」→「ホスピス(緩和ケア)」に分かれます。大体どこでも1:8:1の割合で、「不幸にしてして根治ができなかった人たちに『延命的治療』を一生続けることになります・・・」と説明されましたが、その『延命的治療』ということばがわたしのアタマにひっかかりました。

がんでは『延命的治療』という云い方をして、まるで治らなかった人への敗戦処理のイメージだけれど、高血圧や糖尿病やあるいは狭心症や脳梗塞や、がん以外の生活習慣病の治療に『完治』なんてことばは存在し得ません。すべてが一生『延命的治療』なのです。なのに、まるでがん治療だけが重篤な病気だといわんばかりの、その用語は何とかならないのか?がんは、そんな前時代的な病気ではなくなったのではないのか?裏を返せば、世の生活習慣病患者の皆さんは、がん治療で云うところの『延命的治療』を自分が受けているという自覚はちゃんと持っているのだろうか?

そんなことを想いました。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

ジャイ先生

おはようございます

昨日は月に一回の患者会でした。先生やStaffさん、そして、なぜかうちの会を気に入って参加して下さっている、他の会の会長さんを交えて、
主治医の私服のファッションセンスについて厳しい意見を出し合いました。

抗がん剤治療の為に入院しているヒト、再発しているヒト、不安はいっぱいあると思うけど
みんなでいる時は
ひまわりみたいな笑顔がいっぱいです。

延命治療…とか、告知…とか、余命…とか

がんの治療には、ドキっとする表現がありますね〜。
だいたい「癌」っていう漢字自体が、悪者って感じです。

がんの治療の道のりは長いので、くじけそうになる事もありますが、それでも毎日の生活の中に楽しい事をみつけながら、歩いて行きたいです。

投稿: 向日葵 | 2011年9月 7日 (水) 07時44分

ジャイ先生

おはようございます。

相変わらずの機知に富んだお話し、誠に敬服の至りでございます。

本日のテーマは常々私が医療関係者に直球ストライクに投げ込んでいる話題の1つです。

近代西洋医学の最大の「大罪」と考えております。

そりゃ、「学問」的に捕らえれば「癌」に対してハッキリ申しまして「盲人が初めて象に接した」レベルです。
その為に「難しい病気」が、いつの間にか「不治の病」と言う方向に、患者も医者も流されてしまい、ご指摘のようなプロセスとなってしまっていると思います。

でも・・・風邪であろうとメタボであろうと、高血圧、糖尿病・・・「癌」だけが格別、別格の病気では有ろう筈が有りません。

癌もニキビも風邪も簡単に罹患し、「あるレベル範囲」以内であれば、簡単に(?)自己回復力が修復してくれますし、修復範囲外となっても、結構期間「共存共栄」が可能となってます。

「先生、俺は高血圧だから酒やタバコはひかえますから」と痩せ我慢半分でも言い抜けられますが、レベル1程度の癌患者さんは、そうは行きませんですね。
繰り返しますが自他共に「不治の病」と勝手に解釈しているから・・・「癌=不治の病」の等式を医療関係諸先生は全力を挙げて解消すべきと、私は考えています。

「赤門」と癌医療について20年来の腐れ縁となっていますが、ツクヅク「おかしい」と考えております。

別に癌だけが先端医療学問ではありません。
風邪だって「万病の元」と言われながら「ナ~ンにも」解かられてはいません!

特殊な環境を除けば「癌の集団発生」等はありえませんが、「風邪の集団発生」等は年中行事で、生命の危機に晒されている人は堪えません(スペイン風邪、ホンコン風邪・・・)。

でも、白い巨頭の世界では風邪の研究では偉くなれないのでしょうね。

でも・・・赤門も宮内庁医師団も背に腹は代えられなくなりますと何でもありとなり、お蔭様にて皇室に弊社「健康1番」が約5年程前にご採用賜れ、「無薬品」にてご療養賜れながらご公務復帰を戴けております。

毎度の屁理屈談義で大変恐縮です。
ア、決して弊社製品PRではありません。

世界は統合医療の時代、日本は20年遅れと言われているようです。

                 仙台市
                  asuka3h 拝

投稿: asuka3h | 2011年9月 7日 (水) 10時51分

追伸させて頂きます。

文中「近代西洋医学の最大の・・・」と記しましたが、
「我国近代・・・」と修正させて頂きます。

ついでのウンチクとなりますが、「ご公務復帰戴けております」と述べさせて頂きましたが、ご公務は物凄い超激務でございます。
朝8時過ぎにはご公務所にお出かけになられまして、平常時、一時はお昼にお戻りになられますが、ご公務終了は午後8時以前となるこ事は、まず無いようです。

更には昨年よりは諸外国ご訪問なされるまでにご回復戴けてております。

私よりも12歳もご高齢あらされますにも係わらず・・・。
今の私では1時間も勤まらないです。


秋冷の季節、寝冷えなどなされませぬように!

                以上、追伸オシマイ。

                    asuka3h 拝

投稿: asuka3h | 2011年9月 7日 (水) 12時09分

向日葵さん

向日葵さんのグループみなさんがそれぞれに悩みを抱えながらもいつも明るく皆でお互いを包んでいる感じが伝わってきます。

不治の病ではないと云いながら用語は前時代的なままで、する側もされる側もまだまだ旧体然とした昭和のままの感覚だという気がするとともに、わたしの専門分野である動脈硬化の世界を軽く見る空気が抜けないのもそのせいだと思う次第です。

病(やまい)のよろいを身にまとったカラダの中にごつごつとしたデキモノができていますヨ!と言いた気な『癌』という漢字が昔から大嫌いで、いつもひらがなを使っています。

投稿: ジャイ | 2011年9月 7日 (水) 22時57分

asuka3hさん

お元気そうでなによりです。

私は「がんに興味がない!」と云い放ってからもう20年以上になりますが、それでもやはりがんは怖いものです。高血圧症の治療中である私が進行がんになったとしたら、きっと平静ではないことだと思います。
でも、言葉がおかしいんだから変えちゃえばいいのに・・・素直にそう思っています。成人病が「生活習慣病」、高脂血症が「脂質異常症」と簡単に変えられたのに、がんを「暴走新生病」みたいな言葉に変える気がないのは、やっぱり偉そうで立派な学者さんたちのせいですか?

ちなみに、統合医療がなかなか科学として認められないというか「西洋医学と格が違う」みたいなことを公然と云う輩が多い現実が、不思議でありちょっと滑稽に見えるものだから、だから私は似非医者のレッテルなのでしょう(笑)


投稿: ジャイ | 2011年9月 7日 (水) 23時20分

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