食後の運動
「食後すぐに運動するのが一番いいんでしょ?」
軽度の2型糖尿病のある女性がわたしに相談してきました。1年前から、朝昼晩、食事をとったら必ず散歩をするようにしたそうで、おかげでHbA1cは見事に正常値になっていました。ちょっと誇らしげに、それでいて妙に不安げに彼女はわたしの顔を見上げました。
食後に軽く運動するだけで、食後高血糖は簡単に改善できます。食後に昼寝をすると食後高血糖がいつまでも続くことも証明されています。だから彼女の云うことは蓋し正論だと思います。ただ・・・。毎食毎食、食事を取ったらすぐにウェアに着替えて散歩をする生活って、普通じゃないのじゃないでしょうか。今だけすれば良い話ではありません。これからの人生、ずっと毎食後です。おやつのときはどうするのだろう?外食やパーティのときはどうするのだろう?大変じゃないのかなぁ、などとつい思ってしまいます。
「食事の後は消化のために胃に血流が集まるべきなのに、そのときに運動すると血液が全部筋肉に集まる。だからそんな生活を続けていると胃の疎血状態が続いて胃がんになりやすい」という理論をずっと唱えていた元東大教授の小山内博先生(『生活習慣病に克つ新常識-まずは朝食を抜く!』)のはなしを引き合いに出しながら、これからの人生を考えたらもっとほどほどにして、その分食べる方を少し減らした方が良いのじゃないですか?と助言しました。彼女は何となくホッとした顔を見せたように思いました。
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