意外なトラウマ
「だめ! わたしは吊り橋だけはだめ!」
先日の休み、紅葉狩りのために行った五家荘の樅木の吊り橋の前で、妻が叫びました。高所恐怖症のわたしと違い、妻は高いところが得意で、さらに南の海でのダイビングも楽しんでいます。それなのに「吊り橋だけはムリ!」と叫ぶのには意味があります。小さい頃、この樅木の吊り橋の真ん中で恐怖のあまりひとりで立ち往生したトラウマがあるのだそうです。当時のような朽ち果てた吊り橋ではなく今ははるかに頑丈なものに付け替えられたのですが、それでもそのときの怖さの記憶がそれを凌駕するのだそうですから、子どものころの恐怖体験と来たら、想像を絶するモノがあったのでしょう。さらに、いつもはへっぴり腰なわたしの方が返って普通に渡ったのがよほどシャクだったようで、「なんで、なんで怖くないの?足元に隙間があるんだよ~」と叫びながらワイヤーにしがみついて叫んでいました。
そんなことと引き合いに出すのは妻に申し訳ないのですが、うちの3歳になる愛犬は暗闇の中に入っていけません。日頃好奇心に任せてあちこち飛び跳ねていますが、少しの暗がりでも後ずさりします。引っ張り込もうとすると死にもの狂いで抵抗します。また、人間が外から覗き込もうとすると必死で逃げます。わたしがフェンスの外から近付いただけで必ず逃げていきます。不思議な子ですが、おそらく町田から熊本に送られてきたときの飛行機の貨物室の恐怖が蘇るのだろうと思います。あの日は羽田に引き返すかもしれないというとんでもなく大荒れの嵐の日でしたから。
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