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肥満遺伝子と運動

先日、CareNetに、「肥満や脂肪関連遺伝子を持っているとしても、その影響は運動することで27%低下する」という報告記事が載っていました。

日本人の肥満関連遺伝子はいくつかの組み合わせがほとんどなので極端な肥満家系に出会う機会は多くはありませんが、欧米では単独の肥満遺伝子家系があります。そのどちらにおいても、「肥満しやすい体質だから運動してもムダ」「体質は変えられないのだからしょうがない」と諦めている人のモチベーションアップには有効な結果だと思います。もっとも、当人としては「わたしは特別だから」という言い訳ができなくなるのだから、あまり嬉しくはないのかもしれませんが。

「平均よりも遺伝的に肥満になりやすいと知らされた人は、続く3ヶ月間の脂肪摂取量が増加する」というデータも報告されていましたが、これは実に面白い結果だと思いました。つまり、自分に肥満遺伝因子があると知ってしまったがために、「自分は頑張っても太るんだ」という諦めを感じてしまった表れだと云うのです。わたしは、よく「水を飲んでも太る体質だから、食べなくても生きていける体質だから、すっかり割り切って、日頃から食べないように心掛けてください」という叱咤激励のことばを受診者の方に伝えることが多いのですが、これはまったくの逆効果なのかもしれません。

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