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睡眠と食塩感受性

MTProから配信された情報の中に、第34回日本高血圧学会総会の特別企画「東日本大震災と自治医大~現場からのメッセージ」が出ていました。高血圧治療の第一人者である自治医大の苅尾七臣先生からの、「睡眠の質の低下により被災者の食塩感受性が亢進していた」という報告でした。

大きな災害直後はその精神的ストレスから循環器系疾患のリスクが通常の1.5~2倍に上昇すると云われており、それは「血圧上昇」と「血栓傾向」が関わっていると説明されています。これは太古から生き延びるために備えているサバイバル機能だということを以前ここでも紹介しました(狩りや戦の場で食べずともきちんと戦えるだけの血圧を維持し、怪我で出血してもすぐ止血されることが生き延びる必須条件)が、それに加えて災害後の生活環境の変化や不安による不眠、日内リズムの変化、非常食などによる塩分摂取量増加と脱水、身体活動の低下などが上乗せされるようです。

被災者の血圧が上がる理由として、摂取塩分量が増加するためだけでなく、同じ塩分摂取量でも睡眠の質が低下すると食塩感受性が亢進する、という結果は興味深いものがあります。「食塩感受性」とは、塩化ナトリウムに反応して血圧を上げるメカニズムが働く力ですが、これが高齢者ほど高く、肥満者ほど高く、女性>男性、黒人>アジア人>白人、腎機能低下者や高血圧家系の人に高い、ということは以前から云われていました。これが睡眠の質と関連するというのも、おそらくサバイバルの理論(戦いの中で十分な睡眠が取れなくても戦えるだけの血圧を維持できる)によるものなのでしょうか。

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