それは酒のせい?
「それは、おととい宴会でかなり深酒したせいじゃないですかね?」
この季節は、こういうことばが帰ってくる頻度が多くなります。健診結果の説明をしている途中、いつになく上昇した肝機能の値や尿酸値、あるいは中性脂肪の値を目の前にして発せられる自己分析です。
「おとといですか?」
「はい。昨日は健診前だけん静かにしといたけど、おとといはかなり飲んだんですよね。おとといの影響の可能性はないですかね?」
「いや・・・あるとは思うのですが」・・・わたしは思わずことばを濁してしまいました。
「おとといの影響を受けているのだとすると、酒はあなたのカラダに合わん!と引導を渡されたようなものなんですよね~。」
それは酒のせいだからしょうがない、という結論を期待していたであろうその40歳半ばの男性は、ちょっと驚いたような顔をしました。「普通は、おととい飲み過ぎても今日はほぼ正常値に戻っているはずなんです。それなのにまだ高いのだとすると、あなたのカラダが酒に対する処理能力を持っていない、ということになるんですよね。アタマは『ほしい』と云ってるけど、カラダは『ムリ』と答えてる。『勘弁してください』と懇願していることになります。その点を悟ってやってください」・・・何しろ酒だけは止めきらんわたしとしては、これ以上ないオブラートの包み方でそうアドバイスをいたしました。
でも、悟れないだろうな~。少なくともわたしだったら、悟れないな~。
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コメント
ジャ医 先生
おはようございます。
なんか・・・勝手に「かな漢」変換されてしまいました・・・あえて再変換は行いませんでした!
昨日、及び本日のテーマ、正(まさ)しく当を得ていると私は思います。
悟ってしまったら仏陀(如来)の世界で、人間ではなくなります。
○×真理教の教祖が悟りを開いた・とか・のガセ話しはニュースで。
告別式で「引導」を渡されても・・・悟りの境地とは伺った事はありません。
やはり・・・それ相応の修行を(菩薩、明王・・・)積まなければ無理の様ですね。
「般若心経 新訳」も、所詮「カナ漢」変換のガセネタの世界であり、元ネタは前記通り「サンスクリット」の発音記号の世界。
事実、現在ではサンスクリット語の世界でも「意味不明」の「呪文」化の様です。
先般チベット仏教祖ダライラマ氏が来日し、津波被災地で「般若心経」(画面テロップで解説)を唱えられていたのをTVで見ましたが、
やはり、日本語とは似ても似ない唱えでした。
ちなみに般若心経は「観自在菩薩・・・」で始まりますが、インド仏教には「観自在菩薩(観世音菩薩・お観音様)」は存在いたしません。
あのお方は「ヒンドゥ教」の「悪役」に登場いたします。
(後に改心し、菩薩?に出世しているようですが)
人間社会に存命していながら「悟り」なんて・・・トンでもないお話しでして。。。
もしや・・・ジャ医先生、密かにそれを願望にして?
エセ坊主の asuka3h 拝
投稿: asuka3h | 2011年12月19日 (月) 10時09分
asuka3hさん
しまった!
Asuka3hさんにジャストミートの話題を振ってしまいました?
これはおっしゃる通りだと思います。人間が悟りを開いたらその時点で昇天です。私もそう思います。私の周りにはそうやって悟りを開いた順に目の前から去っていく人ばかりいます。私はまだまだ煩悩ばかりで・・・。
投稿: ジャイ | 2011年12月19日 (月) 20時32分