悟り過ぎ
「来年、もっといい結果を出せるようにがんばります!」
先日人間ドックを受診された初老の男性が、帰り際にそう決意を語りました。乱れていた生活習慣病の値が年々改善して、今年の結果はほとんど問題のないレベルになっていました。無理している様子もなく、日々の生活も充実するようになったそうで、成績発表である年一回の人間ドックが最大の楽しみのようです。
「もうこれ以上良くならなくてもいいですよ」・・・結果説明をしているうちに打ち解けてしまった勢いで、わたしは彼に本心を云いました。今の生活を続けていたら勝手に良くなったというのであれば何も問題ないですが、さらに良くさせるためにもっと悟った人生を迎えようとストイックな修正を加えようとするのであれば止めた方がいい、とそう思います。「これ以上良くなったら悟り過ぎです。これ以上悟ったらこの世を卒業させられますよ!」・・・冗談とも本心とも取れるトーンでそう付け加えました。目標を持ってそんなストイックな人生を送っていくのは楽しいことかもしれませんが、やっぱり人間、もっと煩悩を残して生きていっても良いんじゃないんでしょうか?
なまくら坊主のお説教のようなはなしを、彼はニコッと笑いながら頷いて受け止めてくれました。げー、マジでこの人、悟り過ぎー!
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