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街のはずれ

わたしの実家は大分市の東のはずれにあります。次男坊だった父が大きな借金をして今の場所に家を建てました。世間の人は、あそこは大分市ではない、と云いました。たしかに合併して大分市になった地だそうです。中学と高校はバスやJRに乗って毎日通学しました。繁華街に住んでいる街の連中と一緒に遊んでいると、やはりちょっと劣等感を感じました。なにしろ、私が年に数回一張羅のよそ行き服を着て出かけていた街中の商店街で、普段着を着て毎日普通に遊び回って大きくなった連中です。普段着といっても、わたしのようなヨレヨレのTシャツではなく、全身をきっちりとIVYファッションなんぞで決めている連中です。正直なところ、わたしにはいまだに彼らに対する劣等感が払拭できていません。

東京で生活の場に選んだ石神井もまた、「練馬なんて東京じゃねえし!」と何度も云われて、田舎者のわたしたち夫婦は萎縮しました。でもまあ、わりと長閑に田舎者的生活ができました。とはいえやはり横浜方面からやってくる連中や山の手線の内側で生活している連中とは一線を画しておりました。池袋より外側の話をしてもだれも理解してくれませんし・・・。

そして熊本に帰って住んだ場所(今の自宅のすぐ近く)もまた、熊本市の東のはずれ・・・ほとんど隣町の文化圏でした。今でこそ便利になりましたが、当時はまだ迷路のような小道が多く狐に化かされたような迷い方をしたものです。それでもここは主要ゴルフ場に行くのにも近いし電車の終点に近いし、良い選択をしたなと思っているところです。

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