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医者は文系か?

昨日、いつもコメントをいただけるasuka3hさんの意見を読みながら、いろんなことを思い出していました。

「医者は文系か?」・・・答えが「イエス」であるのは明々白々です。なぜ「理系」という考えが出てくるのかといえば、それは「医学は科学である」という想いが邪魔をしているからでしょう。「医学に従事する者」=「医学者」、「医学者」=「科学者」、だから「医者」=「科学者」。違うと思います。「医者は学者であってはならない」と思います。学者になりたいのなら医者を辞めて研究室に行けばよいこと。医者にとって、知識も人徳もなくてはならない絶対条件ですが、「医者」の相手は病気ではなく人間、人体ではなく人間そのものなのですから、「理系」では務まるはずがありません。医学は科学でしょうが、医者は科学者である必要はまったくありません。50+47が97でなければならないと思い込んでいる人間に医者は絶対務まるはずがありません。

  「医学は科学ではない(前編)」(2008.10.30)
  「医学は科学ではない(後編)」(2008.10.31)

と、そう思って生きてきました。わたしは精神科医になりたくて医学部を目指した(「私が医者になった理由」)から尚のことですが、いまだに数字第一主義がキライです。EBMだとか、発生率だとか、あるいは受診者数だとか収益値だとか、その場しのぎで覚えることはあっても翌日には忘れています。目の前の患者さんが100%なのだからそんな数字どうでもいいじゃねえか!といつも反骨オヤジです。

ま、この考えだけは、一生変わりそうにありません。だからわたしは絶対、経営者や大学教授になれるタイプではないと断言します(その前に、そんな器じゃないか)。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

ジャイ先生

患者は、お医者さんの言葉ひとつで希望を持てたり失ったりするので、できればいろんな言葉を知っている…そして、その言葉がどういう影響を与えるかまで想像できる先生に巡り逢えるといいな…と思います。

同病の患者さんで、その病院では治療する事がなくなったので転院を申し出たところ、主治医から
「どうせ治らないのに」という言葉を投げつけられて、泣きながら別の病院を探した人。

検診結果が「悪性の疑いがあり」で、別の大きい病院でもう一度検査したところ「問題ない」と言われた患者さんに
「間違ってたら謝りますから、もう一度だけ話を聞きに来てください。お願いします」とわざわざ自分で電話する先生。

病気が治る…という事は体の中から、がん細胞がすべて消えてしまう事ではないかもしれない、
と最近思ったりします。

共に歩んでくれる先生に心があれば、泣きながらでもがんばれます。

投稿: 向日葵 | 2012年1月27日 (金) 06時17分

ジャ医先生

こんにちわ。

仙台地方、冷凍冷蔵庫の中で生活している感じです。
昼過ぎまで大学の講義で只今の出勤です。

ジャ医先生は、私が存じ上げております先生方の中で、
(未だお会いはしておりませんが)印象に残る大変素晴しい
「お医者様」のお1人と考えております。
本日のお話をお伺いし、納得がいきました。

私は、お医者様はまず、「心理学者、精神学者(学者と言う言葉には語弊がありますが)」でなければならないと思います。

病は気から・・・と申しますとおり、「気(気持)」を変えれば、病は治る・・・筈です。

もし、診察を受けに来られた患者さんの前で、腕組みをし、考え込むスタイルで「う~ン」なんて態度を執られたら、逆プラシーボ効果で、軽い病人でも重病人になってしまいます。

如何に、患者さんの思考状態や精神状況を汲み取り、極アッサリとプラシーボ効果が出るような「言葉」「態度」を用いる事で、その病人の7割方以上(土方用語:段取り7分に仕事3分)の治癒が可能と思われます。

当然ですが、お医者様は薬屋でもなければソロバン屋でも有りません。
悩める患者さんを救ってあげるのが天職な筈です。

少なくともジャ医先生、過去のブログを通して拝読させて頂きますと、その素晴しさが伝わってまいります。


「心理学者、精神学者」と言う言葉を使わせて頂きましたが、物売り屋(営業マン、セールスマン、種々表現は有りますが)の極意は「心理学者」になる事、とその世界では言われております。
物売り屋の極意とは・・・
 ①見も知らずの
 ②買う気のない人に
 ③買う気を起させ
 ④金を払わせ
 ⑤そしてお礼を言って頂く(お蔭様にて良い物をお薦め頂きました)
事です。

これをすんなりやり遂げれば、トップセールスマンであり、間違いなく「心理学者」として通用すると思います。

上記⑤を除けば、「オレオレ詐欺屋」も優秀な? 心理学者と、その面では言われるのではないでしょうか?

冷凍冷蔵庫の中の asuka3h 拝

投稿: asuka3h | 2012年1月27日 (金) 16時58分

向日葵さん

つらいですね。
以前、私の敬愛する鎌田實先生の『言葉で治療する』(朝日新聞出版)に、そんな悲しい話がたくさん出ていました。でもそれと同じ数だけ嬉しい話が出ていました。同じ仕事をしている身として、影響の重大さを痛感したことを覚えています。

「言葉で治療する」
http://satoritorinita.cocolog-nifty.com/satoritorinita/2010/01/post-d9f3.html
「ことばっていいな。」
http://satoritorinita.cocolog-nifty.com/satoritorinita/2008/11/post-3a5f.html

投稿: ジャイ | 2012年1月27日 (金) 21時05分

asuka3hさん

やっぱり私は似非医者に間違いありますまい(笑)

「内科医は口先だけで、ウソかホントかわからない言葉で言いくるめるだけで商売になるから良いね」などと、ちょっとバカにされます。口先だけで病気が治せるなら最高じゃないか!と思うわけですが、口がうまければ流行るわけではありません。人柄が良ければ人気が出るとも限りません。相手を治してあげたいという熱い心があるだけでもダメです。初対面の相手(患者さん)の心を掴むためには、学校では教えてくれないスキルが必要です。

世界に誇る大発見をした研究者でも採血ひとつできないヤツに比べたら、絶大なる人気があったのに「ニセ医者」で捕まった人の方がはるかに名医。そんなニュースを見ていると医師免許ってなんだろうかと思ったりなんかします。

やっぱりうちの病院の幹部が私を煙たがる理由がわかる気がします(笑)

投稿: ジャイ | 2012年1月27日 (金) 21時20分

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