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BNP高値

脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)は主に心臓から分泌されるホルモンで、心臓(特に心室)に負荷がかかると上昇します。これを利用して、潜在性の心不全などを見つけだす手段として健診現場でも導入されています。重症心不全患者さんの心機能を評価するのとは違い、健診では大した値でなくても厳しい判定になるので無意味に不安を煽るだけだとか、ちょっとした体動でも簡単に変化するから当てにならないとか、いろいろ批判を浴びている検査です。まあ、それでも毎年受けていただく受診者さんの経時的な変化は心臓負荷の指標のひとつになれると感じています。

先日、うちの施設の職員健診で幹部医師のBNP値が100pg/mlを超えていました(正常は18.4pg/ml以下)。ご本人はみるからに元気そうで毎日忙しく駆け回っています。でもこれまでのデータを見ると昨年は60台、一昨年は20台・・・加速度的に上昇しているのがわかりましたので、心臓のチェックだけは受けるようにお勧めしました。数年前には他の幹部医師がやはり100pg/mlを超えていて、話を聞けば親御さんの法事で不眠不休の1週間を終えた翌日に検査したのでした。

こういう方々はおそらく心臓エコー検査を受けても運動負荷検査を受けても「異常なし」の結論が出ると思います。でも、だから「心配ない」のではないことを肝に銘じていただきたい。BNP 100pg/mlという数値は尋常ではありません。おそらく、身体全体からのSOSです。疲れているカラダに鞭打つことをカラダ側が拒否しようとしています。組織の幹部だから少しぐらい疲れていても頑張らねばならないのだと自分に云って聞かせていますまいか。医者という人種は、こういうところに融通が効かないというか鈍感というか・・・カラダの中からの訴えであるこういう値には素直に耳を貸して、勇気を持って心身を休ませていただきたいと切に願います。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

おじゃまいたします。

いま夜勤明けでこれを読んだ、キノシタです。27時間起きていますが、最近は、さすがにもう若くはないんだなと実感しています。
うちの施設長も、40年以上この分野で走り続けているのですが、全国の副会長に就任してからというもの出張のオンパレードで
先日、飛行機の中で、心臓が止まるかと思うように苦しんだと笑っていました。みんなに心配させまいとガハハと笑い飛ばしているのですが、余計に心配になります。

そんな園長に、朝のミーティングで夜勤報告をした後に廊下で、ばったりと会い
『おっ。おはようさん。今日も寒いね。うん。ところでキミは今日、何勤?』
と云われました。

いや…あたし夜勤報告さっきしてましたがな…と心でいちおうツッコミを入れつつ

このユーモアに支えられているのだなとも思う次第であります


世の中には考えられないくらいハードな仕事に従事する人がたくさんいて
その人たちの、無理から生まれるものがたくさんあるのだな

また、考えさせられました。
ありがとうございます。


投稿: 別府キノシタ | 2012年2月 3日 (金) 12時44分

キノシタさん

本当に世の中頑張っている人は頑張っているんですね。そんな頑張っている皆さんのおかげで私は生きておれるのだと思います。

昔はあこがれたそんな頑張る人生とは縁のない日々を送っている私ですが、心から感謝しております。

投稿: ジャイ | 2012年2月 3日 (金) 20時34分

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