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セピア色の写真

地下に降りる階段に足をかけたときから電気ギターの振動が伝わってきました。重い扉を開けたらその音はさらに大きくわたしたちを受け入れてくれました。暗闇の中、スポットライトに照らされたステージには、店のマスター、元ロック研の岩さんのギターを中央に上手の青年と下手の少年(岩さんジュニアだそうな)の3人。わたしたちがその店に入ったときはちょうど恒例の生演奏が始まったところでした。

席に着いてバーボンを注文したままステージをぼんやり眺めていたら、3人だけのはずのステージに何かもっとたくさんの人が見えてきました。何と先日勝手に逝ってしまったKさんがとても楽しそうにドラムを叩いています。中央付近で不器用にマラカスを振り回しているのは長崎の徳さんと福岡の武さん。ステージ前には上機嫌でウイスキーのグラスを高く掲げている佐伯の飯さん。そして客席には懐かしい演劇部の連中に交じってKさんの奥さんの姿・・・私の目、どうしたのだろう。でもとても嬉しい気持ちになりました。わたしの目の前に広がるちょっとセピア色に褪せた光景は、まるで写真かアニメのセル画のようにくっきりと目に焼き付きました。・・・ただ、それは1分も経たないうちに溢れる涙で流されてしまったけれど。

「なんか10年ぶりに急にあいつと話したくなって2、3日前に携帯をかけたけど運転中で、折り返しでかけてくれたときには仕事中で、とうとうそのままになった。それが今でも心残り」と岩さん。あの晩、一緒に酒を飲みかわすことを思っていたという飯さん。未明から今まで経験したこともない頭痛に襲われたわたしも含め、Kさんの別れの合図に振り向いた仲間たちのいかに多かったことか・・・Kさん、うらやましいわ。

「さっき、Kさんが一緒に演奏していた気がしました」と云ったら、「来てたのかもしれん。いやきっと来てるよ、あいつ」と岩さんは素面でそう答えました。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

私もKさんがいらっしゃっていた…と思います。

だって、私だったら
絶対参加したいから。

懐かしい楽しい場所。

先生。。

切なくて素敵な場所が
おありなんですね

私も思い出しました
あの場所。。

投稿: 向日葵 | 2012年2月28日 (火) 07時03分

ジャイ先生

おはようございます。
頭痛と共に「吐き気」はもよおしませんでしたか?

セピア色のトーンからしまして、大脳の一部が「ヒューズ切れ」と思われます。
予防をしろと言われても遣り様がありませんが、
寒さ厳しき折ですので、寝室の暖房の温度を上げた方が良いと思われます。

検診のプロに失礼では有りますが、「紺屋の白袴」になりませぬ様にご用心下さい。

また、黄泉の国のご友人方々には「俺にはマダマダ遣らなければならないことが有る、あと20年は迎えに来るな!」と、怒鳴ってください。・・・結構、効果が有りますよ?

         脳梗塞の先輩?  asuka3h 拝

投稿: asuka3h | 2012年2月28日 (火) 08時46分

向日葵さん

わたしたちの思い出の場所はやはりプレハブの演劇部室。夜中に行っても必ず誰かが居て、ギター片手に歌っているヤツが居る。誰かが酒飲んでいる。公演や催し事の日は夜明けまで・・・ロック研もそんなプレハブで、必ず誰かが居ました。けれど、ある日火事で全部燃えちゃいました。非公式の部室の集まりで学生運動の溜まり場だったりしたから、当局が火をつけたのではないかという噂も出ました。

投稿: ジャイ | 2012年2月28日 (火) 20時53分

asuka3hさん

先輩、ご忠告ありがとうございました。翌日は本当にアタマもカラダもとても不調で怪しかったですよ。残念ながらKさんはよほど楽しいのか、私の方を一度も見てくれませんでした(笑)。

あ、そういえば、例の左口角からのヨダレ、全然出なくなりました。あまりに改善したので、返ってTIAではなかったかと不安になってもいます。

投稿: ジャイ | 2012年2月28日 (火) 21時04分

ジャイ先生

おはようございます。
ご返事有難うございました。

私はその道のプロでは有りませんが、「門前の小僧、習わぬ経を読む」辺りには居ると思われます。

原因の如何は問わずとも、スタートは仰せの通り「TIA」から始まり、一過性(瞬時的なメマイ、フラツキ)から固定化(脳梗塞他)への流れになると思われます。
一過性からリターンすれば「ラッキー」でしょう。

また、固定化にも「ヒューズ切れ」と「ブレーカー落ち」が有るようでして、ヒューズ切れは交換が必要ですが、ブレーカー落ちは、何等かの具合でブレーカー復帰が有るようでして、「例の左口角からのヨダレ」はブレーカー復帰があったのでは? と、思われます。

突発性心肺停止者へのAEDショックは、外部からブレーカー復帰させる物ですね。
ただ、専門の先生によれば「エライショックで、自分はやって欲しくない」らしいですが・・・。

私、個人的な考えですが、血液中の「t-PA」がその他の成分とのアンバランス(少な過ぎ)が「TIA」や強いては、各種梗塞(脳、心筋、その他臓器類)の主因になっていると・・・考えていま~ス

何はともあれ、オダイジニ~

            門前の小僧 asuka3h 拝

投稿: asuka3h | 2012年2月29日 (水) 09時17分

asuka3hさん

これでも循環器内科の救急病院で、DCショックをかけたり緊急心臓カテーテル治療を毎日やっていた人間でございます。t-PAを薬剤として開発を始めたころの黎明期の話。開発に携わる連中と治験を繰り返していました。

投稿: ジャイ | 2012年2月29日 (水) 22時28分

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