節制と摂生
他の文章を書いているときに漢字が分からなくなって調べていると、意外な豆知識が得られるもの。『節制』と『摂生』も、つい最近になってそんな得方をした豆知識のひとつです。みなさん、違いを整理できていますか?
『節制』とは、健康を害さないように飲酒や喫煙を慎むこと(度を超さずに控えめにする、自制を促す)
『摂生』とは、健康的にはあまり丈夫でなくても健康でいられるように欲望を抑えること(健康に注意して養生する)
と物の本には書いてありました。自分なりに解釈しみると、簡単に云えば、『節制』が一次予防で『摂生』が三次予防(と二次予防)ということになるのでしょうか。そういえば、循環器内科に居たころには『摂生』という文字しかみなかったのに、予防医学の世界に来てからは『節制』の文字が主流になった気がしますが、その理由がやっとわかりました。わたしが酒を控えるのは『節制』で、心筋梗塞になった人が今までの乱れた生活習慣を正すのが『摂生』、かな。
ところが、「ふせっせい」と打つと、ワープロ辞書は『不摂生』の変換候補しか出しません。どうして『不節制』ではいけないのだろう。実は、広辞苑にも『不摂生』しかないのだそうです。「ふせっせいがたたる」のは絶対に『不・節制』だと思うのですが・・・。またこうやって、わたしはアタマを抱えて悩むのであります。
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コメント
もう何年も前のブログなので、このコメントを管理人が読むかどうかわからないけどコメント書きます。
確かに不・節制って言葉はありませんね。
不・節制だと度を越してやり過ぎる様子って意味になるのかな(笑)。
問題が出ないように改善していくよりも、問題を対処して解決するほうがイメージとしてより強く残るから、それが失敗したとき(二次予防or三次予防の失敗)の言葉として不摂生が生まれたのかもしれません。
乱雑な文になってしまいましたが、面白いと思ったのでついついコメントせずにはいられませんでした(笑)。
投稿: | 2015年2月23日 (月) 14時58分
コメントありがとうございます。
私もおかげで久しぶりにこの文章を読み直しました。つい最近、「節制だっけ? 摂生だっけ? 前に偉そうに講釈垂れたことがああったんだよね」とか思ったばかり。そうそう、そうだったね(笑)
人間、何事も起きてからしか動かない。分かっていても、動かない。何か起きてから、反省する。うんうん、『不摂生』ですよ。ね(笑)!
投稿: ジャイ | 2015年2月23日 (月) 19時21分
突然のコメント入力失礼いたします。
摂生、節制・・・自分のブログを書いている時解らなくなって、検索していたら、なぜか、ここにたどり着きました。
思わず、なるほどと。
パソコンで文字を書くようになって、余計に迷ってしまっている私です。
投稿: みやばあ | 2017年12月17日 (日) 20時17分
みやばあさん
初めまして。わざわざコメントをありがとうございました。そろそろブログを閉じちゃおうかなと思うことがある昨今。でも、こういう出会いは続けているからこそですよね。2年ぶりに読み返して、こんなこと書いてたんだ、とプチ感動中です。読み返す機会をいただいてありがとうございました。
コトバって、奥が深いんですよ。こういう異口同音のコトバを試験勉強ではない時に調べて「なるほど」と思う時、なんか得した気分になれますよね。
投稿: ジャイ | 2017年12月17日 (日) 23時05分