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焦り

「ちょっと無理するとすぐ疲れて、熱を出すんです。その後寝込んで点滴に行かなければならないこともある。それが月1回は必ずあるんです。少し動くときつくなるんですけど調子がいい時にはつい動いてしまいます。最近は家事をしても疲れることもしばしば・・・。」

先日、人間ドックを受診された60歳台の女性。2年前に気管支拡張症の診断を受けてからこんなカラダになったと悲観しておられました。問診結果を前もって読んでいたので、本人に会ったときにはちょっと驚きました。もっと沈んだ覇気のないご老人を想像していたのに、話しぶりも快活で、歯切れよく受け答えをしてくれるからです。「昨日も運動負荷検査の後にちょっと時間があったのでフィットネスセンターで15分くらい自転車を漕いでしまいました。そしたら案の定、微熱が出てしまって・・・」笑いながらちょっと舌を出す姿がチャーミング。

しばらくいろんな話をお聞きしました。頑張れるときに頑張りすぎてへばってしまうけれど、きっとそれは早く昔の体力に戻したいから焦っているだけ。きっとその半分の運動量で抑えることができたら動けなくなる時間が減って体力回復も期待できるのではないか。立っているとすぐ背中が痛くなる、というのは体幹を支える筋力が落ちているからだろうが、それをゆっくり鍛えるストレッチ運動を続ければもっと元気になれるのではないか。食欲はあるのに量を食べれないと悩んでいるが、少なくても全然問題ないのだし少ない量をもっと楽しんで食べてほしい。きっとため息ばかりついて食べているから空気をたくさん飲み込んでいるだろう。・・・お話を聞きながらそんなことを思いました。「2年前は何でもできたんですよ!」ということばに、あのころの自分に戻れないもどかしさと焦りが感じ取れました。

「炎症を起こす度に気管支拡張症が悪化して肺機能を落としていくのだから、むかしに戻ろうという夢は捨てて現状維持することを考えた方がいい」・・・内科の主治医の先生が云うことばと同じことをむかしの私だったら云ったかもしれないけれど、人間の臓器の予備力なんてそんな軟(やわ)じゃないのだから、うまくやれば2年前の生活に戻れるんじゃないかしら?という確信があります。そのためには焦らないこととじっと見守って叱咤激励してくれる主治医かトレーナーの存在が必須・・・こんなときにそんな存在になってあげられない自分の無力さを感じるのであります。

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コメント

先生…お仕事!真面目にしたらアカン!
無力さを感じてしまう

私は無力さを感じるほど真面目に仕事をしていませんが

患者仲間と向かい合う時に感じる事があります

投稿: ぱみゅばみゅ | 2012年4月14日 (土) 06時14分

ぱみゅさん

でも、ぱみゅさんもそれでも向かい合わずにはおれない口でしょ(笑)

投稿: ジャイ | 2012年4月14日 (土) 07時59分

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