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やせていなくても

「うちは『もったいないから作らない』という家ですから、『おかわり!』と云ったら『ない』って云われます。だからもうあきらめました。おかずは宅食の会社から送られた材料で作る料理だからほんの少ししかありません。それでも、それはそれで楽しいですよ。まあ作りすぎないようにしながらいろいろ試行錯誤してみてください。」

妙齢の女性の健診結果説明は、例によってわたしの決まり文句の台詞で、和気あいあいと終ろうとしていました。「まあ、『好きなものほど少なく作った方がおいしい』ということをやっと悟るようになりましたよ。目の前のものが少ないと嫌でもよく噛みますし、かえって味を味わえておいしいんです」・・・そういいながら立ち上がったとき、その女性がにこやかに受け答えしながら一言云いました。

「でも、先生はやせておられませんね!」

・・・くう~、そのことばに一瞬口をつむんだわたしが次に発したことばは、「最近太ってきたんですよ。それもここ数か月のことです」・・・診察室のドアを開けお互いに微笑みながら別れましたが、自分のドギマギした気持ちが落ち着くにつれて、後悔の念ばかりになってきました。どうしてあんな意味のない答え方をしたのだろう?

「やせてはいませんけど、別に太ってもいませんよ。こういう生活をしていると勝手にちょうど良いところで落ち着くものなんです。あまり気張らずにがんばってください!」と、こう格好良くいなすことが何故できなかったのか・・・。あ~自己嫌悪。

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