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「高齢者の心電図異常」

数日前のCareNet.comに「高齢者の心電図異常、冠動脈性心疾患イベントリスクを40~50%増」というタイトルの記事が載っていました。JAMA2012.4.11号に掲載されたアメリカの研究報告です。

Reto Auer氏(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)らが心血管疾患のない70~79歳2,192人を8年間にわたって追跡し、心電図異常と冠動脈性心疾患イベントとの関連を検討したものです。その結果、試験開始時に心電図異常が認められた人はその異常が軽度でも1.35倍(重度で1.51倍)の冠動脈疾患イベントリスク(心筋梗塞や狭心症の発症・冠動脈疾患関連死)があったと報告されています。さらに試験開始の4年後に心電図の再調査をしていますが、このときに新たな心電図異常が見つかった人や初回から異常が続いている人の冠動脈疾患イベントリスクはさらに増大したそうです。これらの結果を踏まえて、従来のリスク因子に心電図異常も追加すべきかどうか検証するとも書かれていました。

さて、健診で心電図判読を仕事にしているわたしにとってこの結果は忌々しき問題でして、気軽に「軽度異常所見」など読めないのではないかしらと臆病になる次第です。詳しく論文を読んでいないので「軽度異常」の定義がわかりませんが、軽度のST低下や陰性T波や不整脈はまあわかるとして、洞性徐脈や反時計方向回転や異所性心房調律や軽度右軸偏位や、そんなものまで「軽度異常」として狭心症や心筋梗塞の予測因子だと云われてしまうとちょっとつらいかな。

Auer R et al. Association of major and minor ECG abnormalities with coronary heart disease events. JAMA. 2012 Apr 11;307(14):1497-505.

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