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肺がんCT検診

第19回日本CT検診学会の記事をMedical Tribune 2012.5.17号で読みました。低線量CTによる肺がん検診は、2010.11にアメリカで有効性を証明する成績が報告され、それまでの逆風から一気に市民権を得たことを知りました。

今回の学会で、日立製作所日立総合病院のデータから、低線量CT検診で50~79歳の全国対照肺がん標準化死亡比が、開始から5~10年経過した時点で20%以上低下したことが示されたそうですが、これにはとても大きな意義があります。「肺CT検査でどんな小さながんが見つかったとしても、その後に胸部レントゲン検査でがんを見つけられてから治療を始めた人と生命予後には有意差がなく、被ばく量が多い分だけCT検査のデメリットが大きいことを受診者にはきちんと説明しなさい」・・・ずっと厚労省からはそう指導されてきて、その後に修正のお達しが正式にあったとは聞いておりません。そんな中で、日本人のデータとして明らかに死亡率が低下したというデータが正式に出たことが重要なのです。なお、肺CT検査でがんが見つかった人のうち、喫煙者の5年生存率はやはり非喫煙者より有意に低いこともわかりました。たとえ毎年肺CT検査を受けていたとしても、喫煙の代わりにはならない(検査をすれば喫煙をしていても大丈夫ということはない)ということが示されたことも大きいです。

非喫煙者の低線量CT検査の意義も重要です。欧米では喫煙者にしかこの検査が薦められていないという記事を読んで、目を疑いました。喫煙者がこの検査をしたところで、肺がん予防にはなりません。今なくても1年後に生きているかどうかの保証はないのですから。わたしは肺気腫の評価以外に喫煙者がこの検査を受ける意義は低い、と主張してきました。むしろ非喫煙者に増えている腺がんの発見こそが重要なのです。腺がんは進行が遅いから1年に1回の検査で十分に完治治療ができるからです。ですから、非喫煙者にも積極的にこの検査をしている日本で非喫煙者にも有意義な検査であることを証明しなければならない使命がある、という金沢医科大の佐川教授の意見に賛成です。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

ジャイ先生

こんにちは

今日のテーマは厄介なテーマですね。
「卵が先か鶏が先か」「ミイラ取りがミイラになる」
ちょっと、例えに適切な日本語が見つかりません。

ただ、X線(放射線)が発癌の引鉄を引く事は、関係者周知の事実です。
(遺伝子を破壊する)。

同様に強磁場(MRI等)も同様の引鉄を引きます。
(細胞等のイオンバランスを崩す)。

善意か余計な事かは別として、検査、検診で結果的に癌を造ってしまう。
しかも、これら外的要素による発癌は治療の方法が有りません。

それに対し、内的要素の発癌は、「イジリ過ぎ」にならなければ意外と簡単に治せます! (治療では有りません)。

現代医学・・・日本型西洋医学・・・所詮ドイツ医療・・・出たとこ勝負の対処療法の行き詰まり・・・。

やはり、医療と言うものを根源から見直さ無ければと、
私共は最近とみに考えさせられています。

別に現代医学を否定する訳では有りませんが、
生命と病気、自己回復力の根源を原点に立ち返っての研究が欠如していると考えられます。

動かなくなったエンジンを、あちこちバラしてイジクル前に、
エンジンの原理から辿ってゆけば、必ず解かる筈です。

前に書かせて頂きましたが、100歳の日野原先生曰く、
「医者に罹ったり、検診等を受けたら長生きできない!」

         青春ど真ん中の asuka3h 拝

投稿: asuka3h | 2012年5月28日 (月) 17時54分

asuka3hさん

ご意見ありがとうございました。

私は基本的に検査そのものに興味がありません。肺の場合は放射線被曝云々よりはるかに危険なタバコがこの世からなくなりさえすればそれでいいんじゃねえ?と思っている私は、CTの説明は肺のう胞探しと大動脈の石灰化探ししかしておりません。ただ、オプションで肺CTを選ぶ人は、タバコの正当性を求めるか止めたいなと思っている輩だから、後押しして崖から突き落としてあげるのも大事な仕事だなと思っております。他の検査も似たようなもので、みなさんマゾですからね(笑)

投稿: ジャイ | 2012年5月28日 (月) 20時39分

スンミマせん!

医者でもないのにナマイキを書いてしまいまして。

マダマダ、青二才です。

               青春ど真ん中の asuka3h 拝

投稿: asuka3h | 2012年5月30日 (水) 08時55分

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