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「由緒正しいサバイバル家系」

一週間前に公開された連載記事。第7話め(かな)

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由緒正しいサバイバル家系

あの人と同じものを食べているのに、なんでわたしだけ太るの? あの人よりやせているのにどうしてわたしは血圧が高いの? ・・・自分の周りを眺めてため息ばかりついている皆さん、あきらめてください。あなたは、たくましく生き延びてきた由緒正しいサバイバル一族の末裔なのですから。

●『生活習慣病』は遺伝病(体質病)

生活習慣病は、『成人病』といっていたもののうち、『外部環境要因』と『遺伝要因』と『生活習慣要因』の3つが揃ったときに発症するものの総称であることを今一度思い出してください。けがや感染症やストレスなどの外部環境要因と、体質や家族歴などの遺伝要因はなかなか自分では変えられないけれど、生活習慣は変えられる。生活習慣を変えれば発症しないのであれば、どれ、いっちょ、がんばって変えてみようかい!というのが生活習慣病の考え方です。

これを別の視点から言い直すと、「生活習慣病は遺伝病である」ということになります。遺伝要因、つまり生まれつきの体質を持つ人が不適切な生活習慣を繰り返すと起きるのが生活習慣病です。もとにそういう体質がない人はそう簡単には発症しないのに、その体質があれば簡単に生活習慣病になります。これはもう『体質』なのですから、運命だと思って、今世の修行だと思って、がんばるしかありません。隣のオヤジは毒食ってゴロゴロしてもどうもないのに、自分は紳士淑女たる人生を送るしかない。“水を飲んでも太れる”体質の人、わずかな糖分でちゃんと血糖値を引き上げられる体質の人、塩分を取らなくても血圧を維持できる体質の人、みんな立派なサバイバル体質であり、ご先祖様から引き継いだ財産です。こんな人はほんのちょっと乱れた生活を送るとてきめんに肥満になったり、糖尿病になったり、高血圧になったりするわけですが、言い換えれば、うまくやれば一番健康的な人生を送れる人たちでもあります。

●『体質』を生活に活かす

病気になるために生まれてきた人などいません。「病気にならないためには節制しなければならない」などという、“まず戒律ありき”のようなチャチな仕組みになっているはずがありません。人体は、自らが安全に生きながらえ、種の保存に一番適している仕組みになるように改造を繰り返しながら進化してきました。長くて厳しい飢餓の歴史を生き延び、内陸部の塩分の少ない環境下でもくたばらないように自らを変化させて乗り越えてきました。だから、肥満や糖尿病や高血圧の人は“選び抜かれた人”であり、世が世なら一番理想的な人生を送れたはずの人です。

初めから自分の体質がわかっているのはラッキーなことです。「どうして自分だけ?」と悲観せず、自分の体質に合った環境を整えるのが得策です。運動も食事も毎日繰り返すことですから、『治療』だと思うと憂鬱になります。せっかくのサバイバル体質を逆手にとって、人生を楽しまない手はありません。下記のような点に留意して『体質』を早い時期からうまく生活に活かしてほしいと思います。

1)自分の体質を知って先手を打つ→発症するはるか前から、いとこや叔父叔母など一族郎党のこれからの人生を観察し、自分がサバイバル家系の人間の可能性があるなら、若いうちから習慣を変えておきます。

2)自分にあれば子にもある、孫にもある、と考えて先手を打つ→大人になってから生活を変えるのは大変。初めからそれが当たり前といった気運を家庭に築きます。わが子、わが孫に毒を盛りませんように。

3)有り難い財産だと受け止め、ポジティブに生きる→こんなエコ体質はありません。あまり栄養バランスに気をとらわれ過ぎず、「食を楽しむ」習慣づくり、量より質を楽しめる絶好のチャンスです。

運命を受け入れることは大切なことですが大変なことでもあります。“紳士淑女”として、エレガントに生きるべく選ばれし皆さんに、幸あれ!

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