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運動のむずかしさと食事の理屈(前)

第18回日本心臓リハビリテーション学会学術集会(大宮)に行ってきました。

三次予防である心リハの世界なのに、今回は一次予防についてのセッションが目立ったので勉強になりました。心リハの概念が、「起きてしまったものの後処理」から「起きる前の予防」としての考え方に移行しようとしているのは、薬を使って管理するだけでは心疾患による死亡者数がこれ以上は減らないレベルになってきたからかもしれません。中でも、糖尿病の専門家、順天堂大学の田村好史先生のお話と、高血圧・腎臓の専門家、琉球大学の大屋祐輔先生のお話が印象に残りました。お二人の共通点は、きわめて淡々とした口調で話されることです(笑)。

よく見かけるようになった写真~フィットネスジムのアプローチの階段で利用者がみんな脇のエスカレーターを使っているやつ、車に乗ってイヌの散歩をしているやつ、そして今年の国際糖尿病学会の会場で糖尿病専門医たちがみんな階段を使わずにエスカレーターにひしめいている写真~あらためてそれらを眺めながら、「運動」をすることがいかに難しいかを再確認しました。 ”運動療法のガイドライン”に書かれている内容・・・有酸素運動も筋トレも毎日やれる簡単な項目~これくらいならやる気があれば誰でも簡単にできるでしょ?と示された項目~これを作った諸先生方のはたして何人がこれを実践しているだろうか?と考えた時に、その難しさが想像できます。わたしはずっと、変人扱いされながらエレベーターに殺到する中を横切って階段を使っていますが、でも東京で長ーーーい階段があるとついため息が出ます。隣りにエスカレーターがあったら、何かしらの言い訳をつぶやきながらそっちに足が向かってしまうのも致し方ありますまい。

(つづく)

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