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Successful Aging

第12回日本抗加齢医学会総会が横浜で開催されました。昨年初めてサーテュインという言葉を覚えた学会で、今年も話題満載でした。でも、魅力的なシンポジウムが横並びで一斉だったもので、聴きたい話の1/5くらいしか行けなかったのが残念でした。

「世は、アンチエイジングの時代。健康のためとかダイエットとか、そんな問題ではなくて、歳を取らない生き方をするために運動をし減食をするのだ」とここ1年思ってきましたが、どうも時代はもうそんなところにはないらしい。今回のキーワードは”Successful Aging”・・・「健全な加齢」とか「成功加齢」とか訳されていました。「歳を取らない」「いつまでも若く」ではなく「いかに上手に歳をとるか」・・・きっと云っていることは同じかもしれないけれど、これが究極のアンチエイジングだ!と、わたしは多くのシンポジウムを渡り歩きながら、そう読み解きました。

『健全な加齢を促進する生活習慣』をレクチャーしていただいたのは東北大学の辻一郎先生。

●Successful Cognition Aging:認知機能の健全な加齢を得るために一番重要なことはPhysical Activity、つまりカラダを動かすことです。有酸素運動を続けると脳の海馬(記憶や空間学習能力を司る器官でアルツハイマー病の病変は最初に現れる場所)のサイズが大きくなることがわかっているそうです。これは毎日わたしも受診者さんに話しています。

●Positive Psychology:前向きな生き方=つまり生きがいをもって生きていけるかということです。生きがいのない人に脳心疾患が多く、寿命を司るテロメアの長さが、悲観的か楽観的かで違ってくることが分かっています。

ま、要するに、生活習慣病にならない生活を心がけるのは云わずと知れたことですが、それに加えていつも動いて楽しく生きがいを持って社会とつながっていること、つまりアクティブライフに心掛けることがSuccessful Agingの極意、とうことですね。再来週依頼されている某企業の定年前の皆さんへの健康講話はこのテーマでまとめてみましょう。

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