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心電図は要らない?

先日配信されたMTPro(2012.8.3号)に載っていた記事

「低リスク者への心電図検査不要」を再表明,米指針~冠動脈疾患スクリーニングに関するステートメントをアップデート~(Ann Intern Med 2012.7.31オンライン版)

を読みました。米国予防医療サービス委員会の勧告として、虚血性心疾患イベントの10年リスクが10%未満の低リスク患者に対して、基本的にスクリーニングとしての安静時心電図あるいは運動負荷心電図は”意味がない”ではなく、”すべきでない”と云い切り、リスク中程度や高度の患者にもベネフィットがはっきりしないから”検査の推奨は行わない”と断言しているのです。つまり、症状がないときの心電図は百害あって一利なし!と吐き捨てたわけです。

たしかに住民健診などの安静時心電図が有用であるのは無症候性心筋梗塞の発見ぐらいで、ほとんど何も情報を与えてくれません。運動負荷心電図は重要ではありますが、無症候性虚血かもしれないとばかりに要精査指示を出しても、多くの場合は左室肥大や女性特有の変化です。痛い思いをしたり被曝をしたりする侵襲のある検査ではないから、やったらやったでいいのじゃないの?と思っていましたが、これで心筋シンチや心臓CTやあるいは冠動脈造影検査などといった高額な検査を受けさせられる可能性や、無意味に内服治療を継続させられたり、無駄に運動制限してしまう可能性はありましょう。

私たちが「運動禁忌」と判定しなかったときに何かが起きる危険性より、「禁忌」にしたために運動できずに生活習慣病に陥る危険性の方が高い、というのです。管理する側は何も知らないのが一番いいし、検査の必要がないと云うわけだから検査をしないで運動させて何かが起きっても責任はない、とお墨付きをいただくのは至って好都合なのですが・・・いいのかな、それで?

まあ、「健診」という文化のないアメリカの話ですが、健診に心電図がなくなると、わたしは仕事の半分程度をなくします。そうしたら、わたしはお払い箱かしら♪

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