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肥満パラドックス

最近、シカゴのノースウエスタン大学から「糖尿病に”肥満パラドックス”が存在する」という報告があり、今あちこちの生活習慣病に関するメルマガをにぎわせています。つまり、「糖尿病発症時の体重が正常の患者さんの方が過体重や肥満の患者さんより死亡率が高い」という事実です。

”肥満パラドックス”は以前から知られています。心不全や腎不全の場合もそうですし、健診の現場でも「ちょっと小太りの方が長生き」は常識です。MTProで北里研究所の山田悟先生が解説しているように、心不全患者や腎不全患者がやせているほど死亡率が高いのはすでにエネルギー消耗が激しくなって太れなくなっている状態(太る余裕がなくなっている状態)だからだ、とわたしも考えていました。健診現場のそれは、喫煙者にやせが多いとか、やせているひとに筋肉(除脂肪体重)が少ないひとが多いとか、諸般の理由付けがあることも知っています。この大学のメタ解析を行った先生方も、「標準体重のひとは筋肉が少なくて脂肪の占める量が多い傾向があったから、それが原因であろう」と結論付けています。つまり糖代謝に一番重要な『筋肉量』が少ないためにやせているのだろう、というわけです。わからないわけではないけど、なんかちょっと乱暴な論理のような気がします。

現象は現象として受け止めておくとして、これは、「だから糖尿病治療は太っていた方が良いのだ(やせる努力はしない方がいいのだ)」と考えるかどうかの議論ではなく、「だからやせているから大丈夫、などと考えてはいけないぞ」と云うこと・・・ですよね。

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