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2012年10月

やっぱり変だ

くだんの会議の資料を前夜に読みながら、何度読み直しても理解できない文章がありました。

ある企画を導入するための報告書なのですが、まあ書いた人には申し訳ないけれど、近年まれにみる悪文。「ねえねえ、●●くん。この文章あまりにひどくない?」・・・本当は会議の途中で正そうと思っていたけれど、仕事で遅れて会議室に行ったらもう説明が終わっていたので、やむを得ず、本人に会議の後に直接声をかけました。「え、どこがですか?」「どこがですか?って、どこからどこまで全部タイ!」「えー、わかりません」「この文節はここに掛かっているでしょ。じゃ、これはどこにかかってるの?なぜこの2つのことが一つの文に並列なの? 『そのために』はどこを受けているの? ここに目的、ってあるけど、ここにも目的ってある。まるで2つの目的があるかのようだけど、でも内容はそうじゃない。なぜこれが一文で書かれているの?・・・・(略)」

「なるほど」とは答えているけれど、きっとわかってないし納得してないだろうことは、容易に察することができました。それはそれでいいけれど(よくないけど、しょうがない)、この悪文が、会議で何事もなく「承認」されたことがとても悲しかったのです。誰も、まともに読んでないってことか? それとも、文法なんてあまりうるさく云わなくても、意味さえ分かればそれで良い、って参加者全員の総意だったのだろうか?

なんかとてもさびしい。みんなもっと日本語を大切にしようよ!

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付加価値

最近のわたしのココロの闇・・・どこかに幕が被った重苦しさ・・・の原因になっているであろう話題が先日の会議でまた出てきて、あらためてわたしはこの組織と考え方に大きな隔たりがあることを感じてしまいました。

予防医療とは何か?健診とは何か?予防医療の世界に顔を突っ込んで以降、わたし自身の考え方は変わっていません。予防医療=トータルサポート・・・いかに良い人生を送れるか、各々の善き人生を全うするための手助けの世界、ということで間違いないだろうと思っています。これまで、”健診=検査”と勝手に定義されてきていた医療界の常識(そのまま社会の常識)が少しずつ”健診=トータルサポート”の流れにうつりつつあることに一縷の望みを持ちながら、うちも変わりつつあるから何とかこの組織を辞めずに働いております。

でも、結局、『”健診(予防医療)”=検査、付加価値としてトータルサポート』(魅力的で正確かつ立派な検査をしてきちんと診断できるだけでなくそのあとの手厚いサポートも付いている)という発想なんですよね。『”健診(予防医療)”=トータルサポート、付加価値として高度で正確な検査項目』(オーダーメイドのサポートをする材料として検査がある)のわたしの考え方とは、ある意味まったく逆なのです。これからの設備投資の考え方にしても、経営基盤の構成の仕方にしても、将来のビジョンが違う方向にあるもの・・・いつになく歯がゆい気持ちが強すぎて、あの会議の夜はつい深酒になってしまいました。そのことは深く反省。

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アルコール依存症は喫煙より寿命が短い

アルコール依存症は喫煙より寿命が短い

「Alcoholism: Clinical & Experimental Research」オンライン版に10月16日掲載された記事だそうです(ドイツ、グライフスヴァルト大学医学部疫学・社会医学研究所所長のUlrich John氏らの研究)。

14年間の追跡調査をもとに、「アルコール依存症患者では特に女性の場合、喫煙者よりも寿命が短い」という結論を出したわけです。アルコール依存の女性の死亡率が一般集団の4.6倍(男性でも1.9倍)であり、また平均死亡年齢が女性60歳、男性58歳と、一般集団より20歳も若いと。しかも入院治療を受けても生存期間が長くなったわけではないのだそうです。「飲酒は、喫煙など他の危険因子よりも早期死亡の原因になると思われる。喫煙に関連する死亡は癌(がん)によることが多く、通常アルコール乱用による死亡よりも死亡時期が遅い。また、飲酒は喫煙や肥満など他の危険因子の一因となる可能性がある」というJohn氏のコメントも載っていました。

まあ、ドイツのこと。対象4070人のうち14年で153人がアル中になったこと自体が日本の場合より多いのか少ないのか存じませんが、酒のかっ食らい方が全く違うであろう人種の話なのでそこのところは差っ引いて考えましょう(酒に関連するデータには超寛容なわたしですから、わたしがここに取り上げる時点でかなりのバイアスがかかっております)。ただ、このデータ(単にhealthdayjapan.comの要約ですけど)のどこにもタバコ(喫煙)のことが書かれていないのに、このタイトルです。何か気に入りません。まるで、”タバコは酒ほど害がない”と解釈させたい意図が感じられるからです。

20年以上前、日本たばこが、「タバコだけではがん発症に有意差がないが、酒の席でタバコを吸うとがんになりやすい」というデータを発表したことがあって、さすがはJT、さも酒が悪いと云わんばかりの表現だな!と皆で苦笑いしたことを思い出しました。

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がん転移抑制ホルモン

がん転移抑制ホルモン 心臓が分泌…国循と阪大

「心臓にはがんができないんですよ。心臓の中には、血液中を流れてきたがん細胞が心臓にはとどまらないようにする仕組みがあって保護されているんです。心臓原発のがんもほとんどありません。だから、わたしは循環器内科を選んだんです。」

むかしよくそんなことを住民の皆さんにお話ししていました。むかしのボスがわたしを今の職場に誘うときに云った口説き文句なのです。

●循環器にはがんがないからね、患者さんととても長い付き合いができるんだ。一生を共にすることができるんだ。
●循環器はとてもダイナミックで、心停止して救急搬入された患者さんを元気に歩いて退院できるようにしてあげられるんだ。

心臓や血管からは、がんを定着させない特殊な物質があるんだ!と先輩諸氏から聞いていてそのまま受け売りしていましたが、それがANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)だったとは知りませんでした。BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)と同様に心不全の指標であるANPがCCUで心不全の治療薬として使われるようになって久しい。たしかに、「心臓にはそんな物質がある!」というのなら、その物質を使えばがんが転移しないだろう、というのは極めてシンプルな話だから、きっとむかしから研究し尽くされてきていたのでしょうね。今後の研究と実用化に期待しましょう。

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くのいち戦法

本日27日、うちの病院では災害訓練があります。わたしは仕事なので参加できませんが、先日その説明会があったので出席しました。

2011.3.11の石巻日赤病院の実録DVDを観ながら、つい涙し、それが他人事ではないなとも思いました。その後の説明の中で、うちの救急部の部長が、「こういうのを『くのいち戦法』といいます。あ、最近のひとは『くのいち』なんて云っても知らないですよね」と云いました。わたしひとりがくすっと笑いました。で、結局、『くのいち戦法』って何のことか説明してくれませんでしたので、悶々としています。

『くのいち』とは、もちろん「く」+「ノ」+「一」=「女」、女の忍者(隠密)のことですが、結局、くのいちみたいにあちこちでこまめに情報収集しなさいってことなのかしら。

救急のトリアージ。一生経験しないのが一番ですが、有事の際には常に皆が一生懸命に取り組む・・・うちの病院職員はみなさん素晴らしい、と思います。

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野菜

「野菜はほとんど食べません」
「あんな草を食べる行為そのものが理解できません」

・・・野菜ぎらいなひとが最近多くなったように感じていますが錯覚でしょうか。わたしのこどものころは「ニンジンがダメ」とか、「ピーマンがきらい」とか、相手は単品単位でしたが、「野菜」の存在自体を否定する最近の風潮はどこか異様に感じます。「野菜を先に食べてインスリンの仕事をマイルドにする」とか、「まず野菜で腹を満たしてから」とか、食事の取り方のノウハウがどんなにたくさんあってそれがとても有効だとしても、そもそも「野菜は食べない」というひとには、ちっとも簡単な方法ではありません。

いったい、人生のいつの段階で「野菜は食べない」になったのでしょう。こどものころに食べなくてもいい環境だった(今は給食でも「食べ残してもいい」が妥当な教育らしい)のか、それとも逆にこどものころに無理やり食わされてトラウマになったのか・・・。今でこそ野菜だけ食っても全然OKのわたしも、こどものころは特段野菜好きではありませんでした。まあ、農家の出の両親でしたから家には当たり前に野菜があったものの、家庭菜園の野菜は知れているので、スーパーで買った野菜がほとんど。いわゆる”取れたて新鮮野菜”を食っていたわけではありません。食卓にお肉やカレーが並んでいるときの方が幸せでした。それでも、野菜だけ残すことはなかった。やはり、教育なのでしょうか。「野菜はたべない」「必要ならサプリで」の親から生まれるこどもたちが野菜を食うはずもなく、かわいそうに、と率直に思います。肉や魚は人間に食われるのが本望ではないけれど、野菜は人間に食べられるのが主目的の存在に違いないと思うのですが・・・。

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肥る理由

こんなに何日も続けて柴田玲先生の本(『痩せりゃいい、ってもんじゃない!』)を抜粋しても商売の邪魔にならないかしら?今日までにしておきます。

<肥る理由10項目>という中に、①睡眠不足というのがありました。最近、一層睡眠時間が短くなってきたわたしとしては聞き捨てならない話題です。以前、「寝ない子は太る」「寝ない子は太る(アメリカ編)」を書いたことがありますが、あれは育ちざかりの子のはなしでした。

睡眠不足のひとは肥満になりやすい。その理由は、

1.夜ふかしする人は食べている時間が長い。
2.睡眠不足はレプチン産生を狂わせ、その結果、食欲が増し肥る方向に働く。
3.体内時計を司る遺伝子の発現をおさえると肥満になりやすい。

②化学合成物質というのも気になりますね。食品添加物や樹脂、殺虫剤・・・環境ホルモンが成長ホルモンや副腎皮質ホルモンなどの体重をコントロールするホルモン系の分泌を狂わせる、というのはこれまでにも何度かここに書いてきました。環境ホルモンが不妊やがんやアトピーの原因になるというのは知っていましたが、肥満の原因になるとは・・・。ファストフードやコンビニ食の食品添加物や防腐剤・・・カラダに良い悪いだけでなく化学物質がホルモンをいじりはじめるということ、重要なことだと思います。

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アディポネクチンを増やす。

どうせまとめてスライドを作ることになるのだから、ここに書き写しておきましょう。

『痩せりゃいい、ってもんじゃない!~脂肪の科学』(森永卓郎・柴田玲著、文芸新書)

●アディポネクチンを増やす食材

  ・大豆タンパク:豆腐・納豆
  ・食物繊維:穀類(玄米・全粒のパン・全粒のパスタ                           
            ※白米や白パンは逆効果
  ・EPA:青魚
  ・マグネシウム+食物繊維=海藻(特にひじき)
  ・低脂肪食、木の実、でんぷん質食、杜仲茶・ウーロン茶
  ・オスモチン(アディポネクチンに似た構造でアディポネクチン類似の作用をする
           植物タンパク):
           りんご、さくらんぼ、キウイ、とうもろこし、トマト、ピーマンなど

このリストを見ていると、全部わたしの好きなモノばかり。わたしってアディポネクチンだらけじゃない?と自己満足しそうです。逆の目でみると、食べなくてすむならできるだけ見たくないというか、わざわざこんなの食べなくても他においしいモノがあるのだからこれで腹が満たされるともったいない、とメタボ腹な森永さんみたいなタイプが絶対ぼやきそうなラインナップです。

ただし、日本人はホントにマジメな人種だからしっかり忠告しておく必要があります。「これがいい!」というリストを並べると、こればかりを食べて、結局量が多すぎたりただの偏食になったりする輩が必ず出てきますから。

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レプチンつづき

レプチンの作用の基本は食欲低下(摂食抑制作用)と基礎代謝上昇(体温上昇、運動量・酸素消費量増加、交感神経系亢進)です。

レプチンは妊娠にも関与するらしい。レプチンには脳の視床下部を刺激して♀の生殖系を活性化する作用があるので、レプチンが減少すると女性ホルモンの分泌が減少し、排卵や月経の異常をきたし、不妊状態になります。ダイエットをしすぎると生理不順や不妊になる、という理屈は、このレプチン不足も関与しているということを初めて知りました。

また、レプチンが増加すると視床下部を通して交感神経系が刺激されますが、そのために破骨細胞が活性化されます。つまりレプチンが増えると骨粗鬆症になりやすい、という理屈になります。レプチンが増えるときは太ったとき。でも、太っている方が骨密度は高くなりやすいから痩せている方が骨粗鬆症になりやすいんじゃないのかい?あれれ?

ついでに、”脂肪細胞研究の第一人者”である名古屋大学の柴田先生の解説でもうひとつ勉強になったのがTNF-α(腫瘍壊死因子)と歯周病の関係・・・「太ると歯周病になりやすい」という理屈。脂肪細胞から悪玉ホルモンであるTNF-αが大量に分泌されると体内で炎症が惹起されます。またTNF-αには骨吸収を促進する作用があるから歯槽骨の吸収が増すことも歯周病を起こす誘因になるのだそうです。

脂肪細胞から出てくるアディポサイトカイン。たくさんあるホルモンたちの各々にはいろんなストーリーがあるんだな、と感心した次第です。ま、わたしの場合、講演で使えない知識はすぐに通り過ぎて消えていきますけれど。

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レプチン

名古屋大学教授の室原豊明先生に紹介いただいた『痩せりゃいい、ってもんじゃない!~脂肪の科学』(森永卓郎、柴田玲著、文藝新書)を読みました。

おいおい、わたしのブログの題名がまるでこの本のパクリみたいじゃねえか?とたじろぎましたが、2008.6.20が発行日だから、よかった!わたしのブログ開設の方が半年早かった。つまり、柴田先生がわたしのブログをパクったんだな(ちがうか)。

わたしが地域住民の講演などでいつも話している内容が、とてもわかりやすく書かれています。何よりも安い(680円)のが、いい。興味がある方は是非お買い求めください。

この本の中で、脂肪細胞から分泌されるホルモン(アディポサイトカイン)の働きの紹介があります。そのうちレプチンの項目がおもしろかったので、ちょっとメモしました。レプチンは食欲中枢をコントロールするホルモンで、太ったら食欲を落とさせて痩せるように、痩せてきたら食欲を増させて太るように調節する仕事をしています。睡眠時間が短いとレプチンが低下するから太りやすい。過剰に太るとレプチンは多くなりすぎて機能しなくなる(レプチン抵抗性)のでレプチンが多くても痩せられない。がまんできずに食ってしまうのは根性がないのではなくてレプチンのせい・・・などは、不肖わたくしも存じておりました・・・。  (つづく)

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店じまい

我が家の車庫の出入り口にクモが大きな巣を作っていまして、朝のゴミ出し当番のわたしは、ゴミ出しから帰ってきて車に乗ろうとするときにこのクモの糸にひっかかるのが毎朝の日課でした。ホントに学習能力がないので毎回毎回餌食になります。ときどき頭にきて、「ダレの許可受けてここで店開いてるんだよ!」と叫びながら糸を全部叩き落として一目散に逃げ惑うクモを見届けてから出勤するのですが、翌朝にはまた何事もなかったかのように、むしろ前よりも若干広く再建されているのが常でした。

そんなクモの巣がなくなっていることに先週の半ばに気づきました。主がいないだけでなく、跡形もなくまったくきれいさっぱり消えてなくなっています。そういえば、あたり一面張り巡らされていた庭のクモの巣も今はありません。

自然界の営みはやはりスゴイな!と思います。夏から秋にかけてちょっと朝露が下りるあたりがクモの巣のピークですが、年々ひどくなる異常気象は10月になっても真夏だったと思うと突然晩秋に引き摺りこみました。そんな中、”飛んで火にいる夏の虫”的捕獲が期待できなくなる時期を、暦や月の角度以上に敏感に察知するように見えます。勝手に店じまいして勝手に消えて行かれて、ケンカ相手のわたしはちょっとさびしいですが、存在の名残りを残すことなく、初めから存在しなかったかのような掃除の仕方をして消えて行った車庫クモくんに、意味もなく感動したわたしです。

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重み

昨日の朝、起きたら太ももの筋肉が異常に疲労しているのがわかりました。起き上がって歩くのに、まるでウオーキング大会やゴルフのラウンドの翌日のような疲れ具合で、ちょっと驚きました。前日はいつものワンの散歩以外に特別な運動はやった記憶がないのに・・・。

変わったことといえば、前夜、冬用の毛布を出して羽毛布団の上に重ねて寝たこと。急に寒くなって軽い布団だけだと熟睡できない気がしたからです。おかげで3時間ほどの短い睡眠時間でしたが目覚めは良好でした。ただ、その重みのために筋肉疲労を起こしたみたいです。

若い人には全然理解してもらえないでしょうが、歳をとると寝ることだけでも筋肉が疲れます。だから休みの日でも長くは寝ていられないのですが、これにさらにおもり負荷が加わったまま一晩を過ごすと、それは想像以上に筋肉を疲れさせるのだということが分かりました。

ま、慣れれば大丈夫でしょう。学習効果がでてくるはずです。これを経験するといよいよ晩秋だなと感じます。

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「食べる順番」

大阪府立大学の今井佐恵子先生と京都府立医大の梶山静夫先生の共著が、これまでの8年以上のライフワークをまとめる形で報告されています。

1)「食べる順番」が血糖変動に与える影響(臨床栄養 Vol.121,No.3: 276-277, 2012)
2)なぜ、「食べる順番」が人をここまで健康にするのか(三笠書房: 2012)

とりあえず1)の文献を取り寄せました。いままで現場で云われていたことの実証データが簡単にまとめられています。2型糖尿病患者さんが、同じ試験食を野菜→タンパク質→炭水化物という順に食べた日と炭水化物→タンパク質→野菜の順で食べた日で比較したところ、炭水化物を先に食べた日は毎食後の血糖が300mg/dlを越えただけでなく、空腹時と夜間に低血糖を起こしましたが、野菜から食べた日は食後の血糖上昇が抑制されて血糖変動も軽くなりました。また、「毎食最初に野菜をよくかんで食べること」を実践すると米飯から食べたときより食後血糖値やインスリン分泌量が20~30%抑制されたという結果も示されていますし、合計300人以上の患者さんで実験した長期研究ではHbA1cだけでなく、BMI、脂質、血圧も有意に減少したそうです。

わたしも毎日ほぼ全員の受診者のみなさんにこれを話していますが、今回具体的な報告の存在を知ることができたので、さらに説得力が増すことでしょう。2)を注文中です。もっと詳しいデータが得られるとラッキーです。

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「出勤時間は哲学の時間」

いつもの定期コラムの載った機関誌が発行されましたので転載します。最近は「楽しみにして読んでますよ」と受診者さんに云われることが増えました。嬉しいのですが、ちょっとストレスです。

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朝、車で通勤している途中に何度も赤信号にひっかかる日があります。「今日は朝からなんて運が悪いんだろう」とぼやきたくなる日。そんな日に限って、自分の前の車が妙にトロい気がします。「何やってんだよ、こら!(もっと早く走ってくれたら信号が変わる前に通過できたのに)」・・・その車がやっと別の道に曲がったと思ったら、待っていたかのようなタイミングで別の車が割り込んできてこれがまたトロい。信号無視や運転中の携帯電話やウインカーなしの車線変更がいつになく多い気がして、そんな日は不愉快を昼まで引きずります。

ところがまったく同じ状況なのにそれがちっとも気にならない日もあります。「ひっかかるときはひっかかるものだなあ」と妙に感心し、信号停車の度に「となりの車は古いけどきれいだ。大事に扱っているんだろうな」「前の車はまあゆっくり安全運転だこと。たまにはこのまま付いて行ってみるか」「お、朝からワンの散歩。尻尾ふって嬉しそうに笑っているわ!」などとキョロキョロしていると、いつの間にか職場に到着。「意外に早く着いたな」と鼻歌交じりで車を降りる。こんな日は朝の目覚めから妙に爽快だったり、たまっていた仕事が片付いた後だったり、どこか自分の気持ちに余裕があるように思えます。

『テロメア』という名前を聞いたことがあるでしょうか。遺伝子情報を伝える染色体の一番端にくっついているDNA/タンパク構造で、細胞分裂するたびにこれが1個ずつ外れていきます。そして最後の1個がなくなったときに細胞分裂は終わりを告げ、そのときから老化が始まるのです。ですからテロメアが長いほど細胞が長生きで老化しないわけですが、実は、若いころから前向きで肯定的なことばをたくさん使ってきた人ほどテロメアが長いまま保たれていることがわかってきました。同じことを前向きにとらえるか後ろ向きにとらえるか、コップに半分入った水を「あと半分しかない」と思うか「まだ半分もある」と思うか、その差によって元気で長生きできるかどうかが決まるというのです。

赤信号に何度もひっかかってしまうとき、「今日はなんて運が悪いのだろう」と思うか「逆に運が良いのかもしれない」と思うかは、その日の自分の心の有り様です。「何やってんだよ!」と思うときは、相手が悪いのではなくて自分自身が単に焦っていたりイライラしたりしているだけです。どうせ同じことが起きるのなら前向きに考えた方が断然お得。わたしは、“朝の出勤時間は哲学の時間”ととらえることにしました。赤信号に対するその日の自分の感じ方を心の鏡として確認し、自分を客観的に評価する作業です。そうすると、いつの間にか周りの車の流れを気にすることが少なくなりました。わたしは、だんだん悟りの域に達しようとしております。

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セサミン

パソコンを立ち上げてインターネットにつなぐと、いつもサントリー・セサミンの動画CMが流れます。カッコよくシェイプアップされたカラダでジョギングする女性が実は50歳!とか、とても若くてはつらつと仕事をしている男性も50歳!みんな、ゴマから取ったセサミンを飲んでいるから!というものです。

実はわたしも、セサミン飲んでます。京都大学の某教授は先斗町の行きつけの店の全部にセサミンを置いてあるとか、80歳にしてまたエベレストに行く冒険家Mさんがセサミンに出会ってやる気がわいてきたはなしとか、そんなことを直接講演でお聞きして知ったから。

若さと活力の元、セサミン! 毎日しっかり飲んでいるのですが、何かちっとも元気になった実感がないです。飲み始めてから活力がみるみるみなぎってきた!という感覚を一度も感じたことがないんですけど。アンチエイジングの大敵「めんどくさい病」を撃退する秘密兵器として購入したというのに・・・。もしや、わたしの活力は本当はもともとすごく多くて、セサミンの手助けなんて要らないカラダだった、ってことかしら。「サプリは不足している人にしか効果がない!多すぎるとダメ!」ってこないだ教わったばかりですから。

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めんどくさい

「めんどくさいなと思い始めた瞬間から、歳を取り始めますよ!」

動かなくなると途端に老化が始まり、ボケも始まるということ、つまり運動すること・・・カラダを動かすことがアンチエイジングの唯一の極意だと、ここにも何度か書いてきましたし、いつも健診の現場で説明しています。

最近、散歩のとき以外は声をかけても立ち上がろうとしない我が家の老犬ベルを見ながら、そんなことに思い巡らせています。この子ときたら、最近は寝る前のオシッコに行きたがりません。階段を降りて庭に出るのがめんどくさいようなのです。「散歩に行くよ」というと一目散に駆け降りるのですから、その気にさえなれば簡単に降りれるはずなのです。大声をかけて強引に促すと10~15分かけてため息交じりにやっと降りてきます。その後庭でボーっとすること10分、時々暗闇でオシッコした振りして帰ってくるのを押し戻す・・・真夜中の戦いは毎晩です。そうしないと、この子、こっそりオネショするんです。半ば確信犯です。

そういえば最近、お義母さんも「めんどくさがってすぐにわたしの車を当てにするようになった」と妻がぼやきます。むかしは軽いフットワークでどこに行くにもママチャリでしたのに、何かと理由を付けては娘を運転手として呼び出してあちこち連れ回すのだとか。

「めんどくさい」はアンチエイジングの最大の敵なり!

自分にもしっかり云って聞かせておかなければ・・・だって、自転車通勤もバスケットボールも体操も食事のとり方も、こだわるのがめんどくさくなってます。むかしは家の掃除もせずにはおれなかったのに・・・あーーー、トショレになりたくないぞ!

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ヘム鉄と糖尿病

「鉄を過剰にとると糖尿病になりやすい」というのは、わたしは知らなかったのでちょっと驚きました。遺伝性鉄過剰症が2型糖尿病のリスクになるとか、遺伝性ヘモクロマトーシスの鉄蓄積が中等度以上増加すると血糖値とインスリン値が上昇するなどの報告があるようです。

MTProに中国からの系統的レビューとメタ解析についての報告が載っていました(華中科技大学 Wei Bao,et al : BMC Med 2012.10.10オンライン版)。それによると、同じ鉄分でも動物性由来のヘム鉄にその関連が認められたが、植物性由来の非ヘム鉄では糖尿病リスクの上昇は認められなかったそうです。そのメカニズムとして「鉄は強力な酸化作用を持っているので酸化ストレスとして膵β細胞を攻撃するのではないか」と言及されていました。

さてさて、何となく想像はついていましたが、何かと厄介なのは、若い女性に多い鉄欠乏性貧血に対して、非ヘム鉄よりヘム鉄を取ることを普通推奨していることです。ヘム鉄の方が体内吸収率が高いからです。補充しても吸収率が悪いなら取るだけ無駄なわけですから、貧血の女性は動物性食品から鉄を補充することを勧めています。今回の報告をマスコミがどうとらえて報道するかによって、治療に大きく影響を受けます。「ヘム鉄が糖尿病を起こす原因になる」のではなく、「ヘム鉄を”過剰に取りすぎる”と糖尿病リスクが上がる」と云っているのです。過ぎたるは及ばざるがごとし・・・ここのところだけを強調すればいいことなのだけれどと、老婆心ながら心配してしまいます。

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「よかった」

先日、いつもコメントを書いてくれるぱみゅぱみゅさんから、「『困るのは、困った事が起きてからにする』ということばを知って人生観をあっさり変えた」というコメントをいただいて、いたく感動したことを妻に話しました。

「いいことばだね。あなたには大切なことばだよ。ついでにあなたにもう一つ、いいことばを教えてあげるよ。『いつでも”よかった”と口にする』ってやつ!」

妻の職場の上司が最近口ぐせのように云っているのだそうです。とにかく何が起きてもまず「よかった」「自分の運がよかったよ」と口にする。その後に、それがなぜ自分にとって「よかった」のか、理由をしっかり考える・・・この行為が大切なのだとか。それを習慣にしておくといつも考えが前向きになって、いつの間にかいいことばかり起きるようになるのだそうです。

はい、皆さま、ありがとうございます。今回もいろんなことばに出会えて、よかった!です。

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再生

今、「再生医療」といえば、ノーベル医学・生理学賞をもらった京都大学山中伸弥先生の「iPS細胞」。正式名称は、「人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell)」・・・本来逆走など絶対ありえないと思われていた、一旦分化してしまった細胞に、何らかの手を加えて分化する前の細胞(これから何の細胞にでも変わり得る段階の未分化細胞)に戻したものです。

これによって医学は劇的に進歩するであろうことに敬意を表し、今回のノーベル賞受賞が決定したことを心からお祝いいたします。・・・が、科学者ではないわたしにはやはりココロのどこかに引っかかりがあります。この行為は、自然の摂理を無視した、真理の冒涜にはならないのだろうか?という点で。ハーバード大学の某氏の方法(化学物質を加えて遺伝子を操作する方法)はそれが真実であれ虚偽であれ”論外”(わたしには到底認められない方法)なのですが、山中先生の遺伝子操作の方法もまた、人間がいじってはいけない領域に踏み入ってしまったのではないか、と。

ただ、淡々と語る山中先生の姿を眺めていると、もしかしたらこれはもともと準備されていた仕組みなのかもしれない、と思うようにもなりました。神様が生命を創りだした時点で今を想定していたのではないか?将来細胞が変異し続け、疲弊して存続の危機に瀕するようになったときに一度だけリセットさせることのできる裏ワザ・・・もしそれを見つけ出すことができたらという条件で。そしてその起死回生の裏ワザがその後どういう形で活かされるのか、それが神様の最終試験問題であり、その答え方次第では生命体全体の存続の削除もあり得るぞ、と動向を注目していたりして。あ、だから神様がわざとノーベル賞受賞させた、とか?

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おなら

ここ1か月、夕方になると、おならが出ます。お下品なはなしで申し訳ありませんが、ワンたちの散歩中も辺りかまわずおならが出ます。最初はちょっと臭かったので心配しましたが、最近は無臭のやつで、出るとスカッとします。

どうも、その原因は最近タメ息が多くなったせいだろうと自己分析しています。ゲップは出ませんが、夕方になってどんどんお腹が張ってくるのだから、やはり”空気の飲みこみすぎ”が原因なのでしょう。ココロが後ろ向きなのか、それとも睡眠不足のせいなのか?

ま、いいや。あまり考えないでおこう。考えると一層タメ息が多くなるような気がするから。これからも自然に任せながら、ブッブッブッブッと大きな音を立てて散歩することにしよう。

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オシャレ

休日に街中の老舗デパートに行きました。

東京に出張したり身内のパーティがあるときに着るこの季節のジャケットがなく、いまだに20年前に東京で使っていたジャケットを着ていましたが、さすがにヨレヨレでココロが沈んできたので久しぶりに買い替えに行ったのです♪ ついでにそれに合うズボンも買ってもらいました。

汗を拭きながら試着している姿を見て、「お義父さんが初めて熊本駅に降り立った時の姿にそっくりになってきたねえ」と妻が笑いました。父はとてもオシャレな人でした。若いころはS洋装店の店主が家まで採寸に来て作ったオーダーメイドのスーツしか着ませんでしたし、定年退職後はデパートの店員さんにアタマの先から足先までコーディネートしてもらっていました。

若いころから彼の生き方に批判的だったわたしは、「男のくせに」といつも小バカにしていました。オトコの服は着れたらそれでいいんだ!と。でも不思議なもので、年齢を重ねるに従って、オトコはやはりオシャレでカッコよく生きる意識を持つべきだなと考えるようになりました。若さを保つための必須条件でもあるのだと最近痛感します。でも、いざ自分でやってみようとすると、若いうちからそういう生き方をしてきていないものだから、この歳になって突然オシャレをさりげなくするのがものすごく難しくて、しかも大きな勇気を必要とすることに気づきました。

うちの父ちゃんは偉い!と、今、密かに思っています。

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長い文章

有名な人や偉人の名言や格言がよく紹介されています。自分が生きていく上では、その一言に出会うことでまったく違う人生を歩むことはよくあることです。Facebookでも『人生と経営に役立つ名言・格言・いい言葉』を購読しているので、毎日なにがしかの成功者のことばが送られてきます。

ただ、「名言」「格言」と云いながら、妙に長いのがあります。あれは苦手です。核心がぼやけます。やっぱり1~2行でビシッと云ってるのがいいですね。長いダラダラした文章に格言などないわ!とグチって何も読まないまま、「(もう読まんでも)いいね!」を押す。

最近、ネット上で文章を読む機会も増えましたが、これも長い文章は苦手です。実は、そんな文章は最後までは読めません。老眼の弊害が出ているのでしょうか。目が疲れて、アタマが疲れてしまうので、申し訳ないけれど途中からスルーしてしまいます。きっと最後に良いこと書いてあるのだろうけれど、最近そこまでたどり着けません。

そんなわけで、わたし自身も、文章はできるだけ短く!を最低限のポリシーとしてこのブログを始めたというのに、すぐに長くなるのがいまだに悩みです。どういうことだろう?きっと書きたいことがクリアに整理できないまま書き始めるからなんだろうな。がんばって、もっともっと短くしよう!ムリかな・・・。

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暁(あかつき)現象

「糖尿病教室で、『朝飯前にいつも血糖が130mg/dl以上になるのだけど心配ないか?』という質問をうけたのだけれど、先生ならどんなアドバイスをされますか?」という質問メールを、ある医療従事者の若者からもらいました。別に気にせんでもいいんじゃねえか?と軽く思いつつ、念のために糖尿病専門医のH先生にきいてみたら、「いわゆる暁現象みたいなもので・・・」という思いがけない単語が返ってきました。

『暁現象』・・・春眠暁を覚えず、春は曙、紅の豚(違うか)・・・? 糖尿病の方で、早朝にまだ何も食べていないのに血糖が上昇する現象のことを「暁現象」と云います。夜の間、何も食べないのに血糖が下がりすぎません。これは肝臓から糖を作りだして血中に送っている(「糖新生」と云います)からです。そのときに血糖を上げるために活躍してるのがヒト成長ホルモンなどのようなホルモンです。普通の人はそれに対抗して基礎分泌のインスリンが出るので血糖をコントロールできるのですが、糖尿病の人でインスリン分泌が不足する場合は夜中の糖新生を抑えることができなくなることがあるそうです。・・・なるほど。わたしもとても勉強になりました。

どの本をみても対処法は薬剤(インスリン注射や内服薬)の調整のことばかりですが、江部康二先生(京都高雄病院)のブログ(ドクター江部の糖尿病徒然日記)に、
  1.糖質制限食で膵臓に休養を与える
  2.筋トレで筋肉量を増やす
  3.有酸素運動を継続してインスリンの効きを良くする
 を根気よく続けるのもよい方法だと思います。 
とありました。くだんの質問メールの答はこれになるでしょうね。つまりは運動や食事によるインスリン抵抗性の改善をきちんとしましょう!ということになるのでしょう。

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飲まないとムリ?

「毎朝毎晩ドリンク剤を飲む習慣になってもう10年以上です。」・・・ある公務員の男性が健診の結果説明の場でそう云いました。

「そのために血糖値が高くなり脂肪肝が進んでいるのだと思います。ドリンク剤はビタミンだけでなく滋養強壮のために糖質などがバカにならないくらい含まれているのですよ。高価なドリンク剤はともかく、普通に売られているドリンク剤はほとんどがタダの清涼飲料水と同じです。一度、常飲するのをやめてはどうですか?」と助言したところ、即座に拒否されました。「ムリです。朝あれを飲まなかったらたぶん職場までたどり着けません。あれを飲んでやっと目を開けて運転ができるんです」・・・病んでいるなあ、と思いました。たぶん何の効果もないのになと思いましたが、もうそのことに触れるのを止めました。

最近は疲れをとるためにドリンク剤を常飲しているひとが少なくありません。これはCMの成果なのでしょうか?ビタミン剤はいわゆるカンフル剤=”火事場の底力”を発揮させるためのものです。疲れ切った神経系に強制的にムチ打ってカテコラミンを無理矢理引っ張り出すことでもう一頑張りさせるものです。だからそれが高濃度なほどギンギンに頑張れますし、その成果は予想以上です。ところが、その後にドーッと疲れが出てくるはずです。前よりもひどく疲れます。当たり前と云えば至極当たり前です。ムリさせて、ない力を最大限引っ張り出したのですから・・・。疲れたからまたドリンク剤を飲む・・・この悪循環。まったくもって麻薬中毒と同じですから、どこかで断ち切らないと廃人になってしまいます。

「そんなの毎日飲んでるから疲れるんだ」・・・ドリンク剤は「一世一代の大勝負!」の時だけ飲むものだということ、どうぞお忘れなく!

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日曜は早起き

「おとうさんは毎日疲れているんだから、日曜日くらいゆっくり寝させてよ!」って云っている皆さま、おつかれさまです。

でも、そうやってお昼前にモゾモゾ起き出してきてボーっとした休日を過ごしたとして、さて月曜に疲れは取れているでしょうか? たぶん取れていません。よもや「日曜日一日をずっと休んだにもかかわらず疲れが取れないなんて、自分はよほど疲れ切っているのだな」と勘違いしたりはしないでしょうが、「せっかくの休みを一日ムダに過ごしただけ」と感じることは多いかもしれません。

実は、「週末の寝溜め」は疲れが取れるどころかむしろ睡眠障害の原因になる、というのは、かなり前から知られていることです。これはここでも何度も書いてきた「体内時計のリズム」が狂う上に、それ自体のリセットが効かなくなるからなのです。休みであることと日頃疲れていることを理由に休日に朝寝を決め込んでいるから翌週に疲れるのだ!という事実はわかっておかなければなりません。基本的には、少なくとも朝だけは日曜でも平日と同じリズムを繰り返すことが重要です。せめて、朝起きして一旦朝日を浴びて体内時計をリセットさせることは現代人が疲れを溜めさせない最低限の条件のようです。そのためには週末の夜更かしがご法度!とものの本には書いてありますが、唯一ゆっくりできる週末にそんなこと云われても、なかなか厳しいですよね。まあ、やりたければ日曜の早朝に起きて趣味の世界に浸りなされということなのでしょうが・・・。

わたしは毎日夜更かしで、そして毎日早起きで、決して健康的な生活パターンとは云えませんし、いつも眠~い毎日過ごしてますが、それでも日曜に寝溜めしようなんて、絶対思いません。せっかくのお休みに、勿体ないですもの。

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長湯

先日の東京出張のとき、ホテルの小さなバスタブにお湯を溜めて、久しぶりにゆっくりと浸かりました。肩まで浸かって、ゆっくり100なんぞ数えてみました。小さな湯船にひとりで身をかがめて100数えるまで浸かっているなんてこと、もしかしたら子どものとき以来かもしれません。

時間を忘れて、その日にあったいろいろを思うことなく、これからの予定も一切考えずに、ただボーっと浸かって数を数えていると、ふわーっと良い気分になりました。瞑想タ~イム♪ たぶん、自宅でもホテルでもこれから当分こんなにゆっくり風呂に浸かることはないだろうなと思うのだけれど、たまにはこんな無の時間、いいな!と思いました。そのまま眠ってしまいそうな良い気分・・・今回は思いがけずとても良い時間を過ごすことができました。感謝、感謝です。

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スキンヘッド

昨日、東京のホテルで夢を見ました。

鏡に映る自分の姿を見たら、とっても綺麗なスキンヘッドになっていました。想像してたより顔が小さくて、このアタマ似合ってるなと思いました。

どうも、がんのために抗がん剤治療を受けていたようです。最近の抗がん剤は分子標的薬剤というやつで髪の毛が抜けるような副作用はないと、昨日のセミナー(第38回生活習慣病指導専門職セミナー)で国立がん研究センターの田村研治先生がおっしゃってましたので、毛が抜けているってことは従来型の薬剤だったのでしょう。

夢の中の自分の姿を眺めながら、なんで自分がこんな治療を受けているのだろうか?という疑問は不思議と浮かびませんでした。それは、自分の顔がどこかニコニコして元気そうだったからでしょう。悲壮感がまったくなく、ふわーっとした空気感に包まれていたのです。

はて? どうしてこんな夢を見たのだろうか?

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わんわん

「わんわんわん!」「わんわん?」
「何?何?それじゃ何を訴えているのか、わからないよ。喜んでるの?怒ってるの?早く準備しろ!って云っているの?それとも、行くなと騒いでいるの?・・・わからん!」

朝から尻尾を大きく回しながら大騒ぎしているうちの犬たちのアタマを撫でてあげながら、ちょっと不憫に思いました。どうして彼らは「わん」としかいえないのだろうか。微妙なニュアンスが伝えられずにイライラすることはないのだろうか?それで不便じゃないのだろうか?かわいそうに・・・と。

でも、良く考えたら、彼らは犬同士では「わん」だけで十分コミュニケーションを取っています。特段何も困った様子ではありませんし、「わん」以外のことばを使えないことにまどろっこしさを感じているとは思えません。もしや・・・ことばを巧みに操る人間たちよりもっとシンプルに伝えたいことを直接伝えていけるのではないかしら。人間は、ことばなんか造りだしたものだから、自分に素直になれず、駆け引きをして人をだまし、好きな人に好きと伝えられず、面倒くさい関係をあちこちに作ってしまったのではないのかしら。微妙なニュアンスを表現することばがあるがために返ってそれに頼って、”感じる”という本来持ち合わせていたはずの本能が退化していくことになってしまったのでは・・・。

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やることvsやらないこと

最近ココロもカラダもユルユルな生活を送っているわたしなのであまり説得力がないかもしれませんが・・・。

ダイエットの基本は食事と運動、云わずと知れたこと。最近は、老若男女を問わず皆が黙々と運動に取り組んでいます。公園は朝も夕方も散歩者とジョガーだらけです。減食だけでは筋肉がなくなって基礎代謝が低下するから、アンチエイジングは筋肉からだから・・・わたしもここにいろんなことを書いてきました。

でも、突き詰めると、やっぱり成功するダイエットの主体は食事療法ですよね、と思います。何を食べるといいかということではなくて単純に「食べないこと」です。いや、運動が要らないとか運動は二の次とかいうことではありません。こっちの方が単純に簡単だから。「運動を頑張ってやせた」というひとはたくさんいます。わたしもそうでした。ただ、続けない限りダイエットは継続できません。もちろん、食べないことも続けないといけないのですが、たぶん、「~し続けること」よりも「~しないこと」の方が少し楽なのではないかと思うのです。もともと運動欲のないのが人間。それをずっとし続けなければならないことを考えたら、時々タガが緩んでも反省して食べなければ解決できる「食事療法」の方が絶対楽だと思います。

ということで、「食べない」努力、ちょっと再挑戦してみます。

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目が怖い

毎日150人近い受診者の方が来られます。多い日はその半数くらいの人と何らかの会話をします。診察であったり結果説明であったり・・・。さらにアンケートの結果も目にします。特に苦情や意見の類は必ずわたしたちの目に触れます。

先日、診察で呼び入れる受診者の方の顔を見たとき、「目が怖い」と感じました。とくに何か威圧的な態度をとったとか、何か不満がありそうな、というのではなく、普通に静かにわたしと目が合っただけです。この日、わたしが「目が怖い」と感じたのはその人だけではありませんでした。何人も何人も・・・だんだん自分のココロが硬くなっていく感覚がわかりました。簡単な診察をしながら、次に何と話しかけようか。この程度の診察で「短か!」とか思われたらどうしようか。あれだけ待ってこの程度かよ!とか内心で思ってるんじゃないか。今チラッと僕の名札を見たけど、名前を憶えておいてあとでアンケートに苦情を書こうとしているんじゃないか。 疑心暗鬼のココロはずっと硬くなったまま・・・そういえば最近立て続けに、職場に対する苦情のアンケートが続いたな。かなり厳しい調子で批判しているのがあったな・・・この人たちも何か云う気なんじゃないのかな。

「特に診察では問題はありませんね」と云ったら、今まで仏頂面だったひとりの女性が目を上げてニコッと微笑みました。ふわ~と気が抜けたようになりました。 とてもうれしい気持ちになりました。

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赤信号

先日、職場の小さな送別会がありました。楽しく飲みました。

路面電車に乗って終点まで行き、K商店街を抜けて10分ほど歩くと自宅に着きます。家に帰るために歩いていたら、赤信号。私と同じタイミングで信号待ちする散歩中のオヤジ。沈黙。・・・・なぜ二人でここに立っているのか?車は来ない。姿すら見えない。バイクの兄ちゃんがやってきて信号無視して行ってしまった。なのに立っている理由は、「赤信号だから」だけだろ? なぜ赤信号だと待つのか? 車が横から出て来るかもしれないから? いや、法律だからだ、だよね。 だって車なんか来ないもん。というか姿すら見えないもん。

てことで、私は横断開始。チラッとおじさんを見たら、ちょっと焦ってた(ように見えた)。でもきっとあのおじさんは青信号になるまで待つだろう。もし私だったら、待つ。待たないと、やったことの意味がないから。 

わっかる~!

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