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「その時は、来ます!」

「『たばこを止めようかな』と思ったときは、迷わず禁煙外来に行ってください」と云ったら、「ははは。そんなときは、絶対来ないと思いますよ」・・・そう答えて診察室を出ていきそうになった40歳前のスモーカー男性に、「そう思うでしょ。でもね、その時は、きっと来ます!」と、きっぱりと云い返してあげました。

タバコを止めたことのないヒトは、タバコを止めたいと思うきっかけは「健康に悪いから」とか「家族に懇願されたから」とかそういうものだと、思い込んでいます。自分はそんなことでタバコを止めるようなカッコ悪い人生を送る気はないので、だからそんな日は来ない!と想像しています。経験したことがないのだからしょうがないのかもしれませんが、本当に止めるきっかけはそんなものではありません。少なくともわたしは、健康のために止めたわけではありません。

「吸うこと」に何の価値も感じなくなるときが来ます。「税収以外に何の価値もない」とわたしがいつも云っている意味が、「これか」とふっと分かる瞬間。そんなはずはない!と自分に云い聞かせても、ただの「けむり」にしか感じられなくなる瞬間。それが絶対来ます。慌てる必要はありませんが、それを感じたときには自分に素直になってください。軌道修正することはプライドが許さない!などと意地を張らないでください。

「でもね、その時は、きっと来ます。いつかその日がきたら、そのときには禁煙外来に行く勇気を持ってください」・・・しつこく云うわたしの顔から怪訝そうに目を逸らしながら、彼はそそくさと診察室を出ていきました。

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