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BNPについての指標発表

心機能を評価する指標として普及しているBNPについて、先日、日本心不全学会が指針を発表しました。心不全や心臓負荷の早期発見と経過管理のために有効なバイオマーカーではありますが、たしかに数字に攪乱されてしまう傾向はありますから、こういう正式な学会からの指針公示はとても助かります。とくにわたしたち予防医療の世界で扱うBNP値は、外来の循環器患者さんの所有する値とは全然次元の違うところにありますから、「その程度の微々たる値の変化に右往左往して無駄に病人を作り上げる」と揶揄される一方で、正常値でない値に対して何らかの解釈を与えなければならないのが臨床検査値の宿命でもあります。

血中BNPやNT-proBNP値を用いた心不全診療の留意点について

1.BNPまたはNT-proBNPの生物学的特徴
2.それぞれの閾値(心不全の早期診断への活用)
3.慢性心不全例の病態管理の指標
の3つに内容が分かれていますが、わたしたちが留意するのは2についてです。

●18.4pg/ml未満では潜在的心不全の可能性が極めて低い。
●18.4-40pg/mlには直ちに治療が必要な心不全を発症する可能性は低いが、症状や症候を十分加味する。
●40-100pg/mlは軽度の心不全の可能性がある。危険因子が多ければチェックをすることを勧める。重症である可能性は低い。
●100-200pg/dlは治療対象となる心不全がある可能性がある。早期に心エコーを受けるべき。
●200pg/dl以上:治療を要する心不全の可能性が高い。

読んでみるとほとんど今までと同じ解釈だと思われます。やはり厳しいのは厳しいですね。もうひとつ、慢性心不全の管理ではその値の絶対値の評価ではなく、「前回の値の2倍以上に上昇したときには何か理由がある」と考えるのがよい、という指標は分かりやすいと思いました。

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