目標体重?
「なんとかあと5キロ体重を落としたいのでどうしたらいいか教えてください」「残り3か月であと3キロ落とせるようにがんばりましょう!」・・・数日前、こんな似たようなセリフを別々のシテュエーションで聞きました。最近は、本人も、あるいはそれを指導するスタッフも、あちこちでこんな云い方をします。メタボ健診のあとの特定保健指導では、その昔、虎の巻に「(腹囲-85)キロが目標体重になるための当面の減量目標である」と書いてありましたが、あれはまさか今でも生きているのでしょうか?
『目標体重』とは誰のためのものか・・・そんなことを考えたことはありますか?理想体重が何キロで、だから目標体重を何キロに設定しよう。そのためには何カロリーを食べて何カロリーを消費するとうまくいくはず。今は何キロだから、この方法でこれから何ヶ月以内に何キロ落としましょう!・・・これは一体、何のためにしているのでしょうか?何かが本末転倒になろうとしている気がしてなりません。
自分の体重を理屈で管理しようとすること、自分の理想体重を計算で出そうとすること、これはまさしく生き物への冒涜ではないでしょうか。自分の理想体重はたぶん自分の身体しか分かりません。自分の欲する生活パターンを続ければそれが良くても悪くてもどこかでプラトーが訪れます(全く同じ生活なのにいつまでも増加するか減少する場合は何らかの病気です)。そのプラトーの状態(”もう何年も変わりません”状態)こそが、そのひとの真の理想体重なのではないでしょうか?それが標準体重より多いとか少ないとか、そんなことどうでもいいような気がします。
だから、『目標体重』ということばの存在自体が無意味なのだと思うようになりました。変でしょうか?
| 固定リンク
「心と体」カテゴリの記事
- フレイル予防(2024.10.02)
- 酒で糖尿病リスク減?(2024.09.30)
- 転倒リスク予測(2024.09.25)
- ペットと食物アレルギー(2024.09.24)
- 手に汗があふれる(2024.09.20)
コメント