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折り合い

一年に二回、わたしがドキドキする日があります。夏スーツを着始める日と冬スーツを着始める日です。それが昨日でした。日ごろスーツを着る生活を送ってないわたしがそれを着るのは年に何回かの講演のときと学会のときと公式のパーティなどのときだけなのですが、お腹の成長が日々著しくなった昨今、確実にウエストがキツキツになって、入るかどうか微妙なのです。

朝何も食べていなくてこのお腹のキツさ・・・昼飯食ったら絶対入らなくなるでしょ!と必死に腹を引っ込めながら自己嫌悪気味に出勤するのですが・・・不思議なもので、着ているうちに何となく”折り合い”がついてきます。なぜだかよくわかりません。確実に成長を遂げたわたしのお腹の脂肪と久しぶりの出番で張り切っているズボンの生地とが、最初は決まった位置関係を主張してギスギスしているのですが、擦れ合っているうちに微妙に位置調整をしたり、脂肪のシフトを試みたり、あるいは繊維を目いっぱい広げたりして、職場に着くころには何となくしっくりきて、何とかなります。

社会生活においても同じようなことはよくあります。この人とは絶対合わない!一緒に仕事をするなんて絶対無理!と思っていた人とも、やむを得ず付き合っていくうちに互いに少しずつ妥協し合って、なんとなく折り合いがついてなじんでいく。傍から見ても絶対無理だろうと思っていた二人が普通に仕事の成果をあげていくとか、一緒にサークルの意見をまとめていくとかいう光景・・・これは自己の主張だけでは絶対に解決しない問題です。お互いがお互いを尊重して妥協し合うプロセスが必須です。そこに一番重要なことは「社会とのつながり」なのだと思います。現代人はネットなどのバーチャル世界ではつながっているように見えて、現実世界では皆各々に孤立し、周りと関わり合うことを異常に面倒くさがります。最近の殺伐とした犯罪ニュースを聞くにつけ、もうちょっとお互いに直接関わりあっていたら、こんな悲惨な事件は起きなかっただろうにと思います。

もっとも、そんな折り合いとなじみの心地よい関係にも限界はあります。わたしの場合は、カラダをもう少し縮めるか新しいスーツを新調するか、どちらかが急務です。

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