« いい加減だ? | トップページ | 塩梅だから(後) »

塩梅だから(前)

父が生前酒の肴に作っていた『いりこなす』・・・夫婦で実家に行ったときに、料理が得意な妻が「わたしが作りましょうか?」と声をかけました。「で、味噌や塩加減など味付けはどんな割合で作るのでしょうか?」と聞いたら、父は「まあ、適当に。塩梅(あんばい)だから」とだけ云って去っていったのだそうです。『いりこなす』は父のオリジナルらしく、自己流に好みに合わせて作っていたようです。やむを得ず彼女のセンスで作ってみたら、「ん~、ちょっと違うな。でも、これはこれでおいしい」との評価。彼女はそのことを今でも根に持って話します。「お父さんが作っているのを横で見たわけでもないし、出来上がったものを食べたことがあるわけでもないのに『塩梅だから』だけで茶の間に行ってしまったのよ。それでもって『ちょっと違う』って、ひどいよね!」と。

「そういえば」・・・妻は違うことを思い出したようでした。大分に住む先輩の新婚時代にお伺いしたとき、彼の奥さんが大分の郷土料理『りゅうきゅう』を作ってくれました。その作り方を教えてほしいと頼んだときも、「適当よ。家庭によって全然違うし、うちの味がスタンダードでもないのよ。適当に調味料を混ぜたらいいの」としか云ってくれなかったのだそうです。「大分の人ってみんなああなの?自己流だからとか云って、自分のレシピを絶対教えてくれようとしないの!」

(つづく)

|

« いい加減だ? | トップページ | 塩梅だから(後) »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« いい加減だ? | トップページ | 塩梅だから(後) »