プロテイン
39歳男性。初めての人間ドック。これまで職場の健診で特に異常を指摘されたことはないといい、診察をするために上着を脱いでもらったら、とても均整のとれた発達した筋肉が日焼けで赤銅色に光っていました。
そんな彼の唯一の異常値が腎機能でした。クレアチニン値1.19(eGFR 56.04)・・・基準上限ギリギリのクレアチニン値ですから当然CKD(慢性腎臓病)の基準でひっかけられる値になります。正常範囲のはなしなのでそう大した問題ではないのですが、彼の体つきとアスリート的な生活習慣を考えたときにとても心配なのは食習慣。きっとこの筋肉を維持するために意図的にタンパク質をたくさんとっているはず。もしかしたらプロテインなども使っているかもしれない。
先日もあるダイエット番組で、医者もアスリートもトレーナーも口を揃えて強調していたのは、「とにかくタンパク質!」・・・炭水化物や脂肪は要らないから、食べたくなったらタンパク質、食べたくなくてもタンパク質、朝昼晩、肉を食べるのが理想・・・その激しい口調を信じられない面持ちで眺めていたわたしです。いや、ダイエット云々、低炭水化物云々はいろいろ意見があるからどうでもいいですし、タンパク質中心の食事にするのはアンチエイジングや美容のために今や常識だと分かっています。ですが、タンパク質が直接腎臓に多大の負荷をかける以上、そんな極端な食事を容認できるのは腎機能が健全であることが大前提です。症状があるわけでもない若い方々、とりわけアスリート系や筋肉鍛えるの命!のヒトたちは、自分の腎臓が健全ではないなんて夢にも思ってもいないでしょう。ボディビルダーの方の食習慣の話題で、以前ここでも触れましたが、「タンパク質至上主義はまず健康腎臓ありき!」であることを、世の体育会系指導者の方々はしっかりと認識していただきたいと思います。
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