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高血糖の記憶(前)

今年の日本抗加齢医学会総会は昨年に続いてパシフィコ横浜で行われました。わたしは、この学会で語られる内容が予防医療の最先端を担っている気がして、いつも楽しみにしています。

今年、わたしが気になったのはやはり「糖化ストレス」と「終末糖化産物:AGEs」・・・なかなか理解できなかったこの物質のことを明快にレクチャーしてくださったのは、久留米大学の山岸昌一先生です(「AGEを標的としたアンチエイジング療法」~ランチョンセミナー)。

過去にどれくらいの高血糖にどの程度の期間曝露されたかが、その後の糖尿病性血管合併症の進展を左右する、という現象を「高血糖の記憶」と云い、この”むかしのツケを持ち越してしまう”記憶のメカニズムを担うのがAGEsです。軽快な口調で語った山岸先生のお話しからわたしなりに理解したことをまとめてみます。

高い血糖の状態が続くとカラダの中のたんぱく質は”糖化”されやすくなります。つまり、たんぱく質と糖が結合してしまって、”糖まみれになった劣化したたんぱく質”になるのです。これをAGEsと云います。糖尿病の指標になるHbA1cやグリコアルブミンなどはAGEsの前駆物質です。このAGEsが増えると血管が硬くなり(血管拡張障害)、また壊れやすく(プラークの不安定化)なっていきます。AGEsが増える状況(メタボ、NASH、炎症、睡眠時無呼吸など)であれば、たとえ糖尿病になってなくても糖尿病と同じように血管内皮機能が低下してくるのです。ま、要するに、糖尿病の食後高血糖と同じ状態を繰り返すと、糖尿病になっていなくても体内のたんぱく質の劣化が激しくなり、血管がどんどん老化してしまうということになります。

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