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何もしなくても良くなる方法?

「先生、ゼチーアにレスベラトロールを一緒に飲んだらどうなるでしょう?これを飲めば食事療法は要らない、となれば楽ですよね。」

先日行った抗加齢医学会総会のあるセッションで座長の先生がそんな意見を云いました。ゼチーアというのは脂質異常症の治療薬で食事に含まれるLDL(悪玉)コレステロールの小腸吸収を抑える効果のある薬剤です。レスベラトロールは長寿遺伝子として有名なサーチュイン遺伝子の活性を高める効果があるタンパクで、サプリとして市販されています。

LDLコレステロールは、肝臓から合成されるものと食事から吸収されるものがあり、肝臓からの合成を抑える薬だけでは効果が頭打ちになることがあります。その場合は食事からの吸収作用が増強されていることがわかっており、ゼチーアはその吸収を抑える効果があります。LDLコレステロールの値を下げる効果ばかりでなく、食べ物の小腸吸収をゆっくりさせる効果が食後高血糖を抑える作用も発揮できるので内臓脂肪量を減らす=メタボ改善にも効果がある薬だと云われています。

座長の先生の意見、とてもごもっともなのですが、結局「人間は食事制限なんてできない」大前提ありきで、いくら「食事を控えろ」「腹八分目で」と云ったってメタボになる体質の人にはそんなこと無理だから、食事をそのまま好きに食べさせても改善する薬に期待するしかない、と云っておられます。「きちんとおいしく味わって食う習慣になったら自ずとサーテュインが賦活できる量しか食わなくなる」と信じているわたしはそこのところが相容れないのですが、翻って考えると、「食事療法=食事制限=ガマン」の概念を医療者側から変えさせない限り、空気は変わらないのだろうなと感じました。そういえば、むかし、「減塩なんて絶対無理だから、努力させるよりナトリウムを減らさせる薬を飲ませた方が効率的だ」と話していた循環器科医のはなしを思い出しました。

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