高血圧治療ガイドラインの改正原案
日本高血圧学会は、来年に高血圧治療ガイドライン2014を発行するにあたって、その原案を公表しました。現在のガイドライン2009から変わったところをMTProにまとめてあったのでご紹介します。
<ついに公開されたJSH2014原案、現行GLとの違いは?>
学術ブログではないので難しいことは書きません(わたしもあまり良く理解していません)が、どうも全体的にGL2009よりも値の基準が緩くなったようです。「若いヒトの血圧は130/85未満であるべきだ」というのが「140/90未満」になっていますし、高齢者の高圧目標も「140/90未満」から「150/90未満」にあげられています。これはどういうことなのでしょう。2009年にメタボ基準と合わせるために厳しく規定したものの実情に合わない(簡単には引き下げられない)と判断されたのか、それともエビデンスとしてそこまで厳しくしなくてもいいことが分かったのか。
「診察室の血圧と家庭血圧が違う場合は家庭血圧を優先する」という記述も時代ですかね。むかしは、素人の測る血圧は当てにならず、自己申告血圧はウソかもしれないから信用できないという空気が医療現場の常識だった気がしますが、今や診察室の血圧の方が日頃を反映しないから当てにならない、というのが常識になりました。「家庭血圧は上腕カフ血圧計を用いて原則2回測定し、平均点を『その機会の血圧値』とする」という但し書きは、ちょっと”要らん世話”という気がしないでもありませんが。
βブロッカーが第一選択薬リストから外されたのも、糖尿病全盛の時代の繁栄でしょうか。話題のディオバンがスキャンダルに巻き込まれて抹殺されたのは残念です。個人的にはとても良い薬だと思うのですが。
まあ、専門家として、というよりも、高血圧患者のひとりとして、正式な発表に注目しようと思います。定義や方針が変わるとそれだけで啓蒙の仕方も変わってしまいますから、できる限り考え方は一貫させてほしいものだと思います。
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