人生の介入
新しい特定健診・特定保健指導の世界に入ってきたスタッフの方々への講義を終えました。ホッと一息です。与えられたテーマである、「動脈硬化発症のメカニズム」はまあ理解してくれてもくれなくてもどっちでもいいですが、予防医療への思い入れだけは、参加者の一割だけでいいから分かってもらえたらうれしいなと思います。
自分が関わった方々のひとりひとりのこれからの人生が、「楽しい人生」になるか、「苦しい人生」になるか、それが自分たちにかかっているのだということを肝に銘じておいてほしいのです。「今を頑張らないと病気になって『苦しくて辛い人生』になるから、そうならないように、将来やりたいことがやれて『良い人生だった』と思えるような人生を歩めるように、今頑張りなさい」ということだと勘違いしてはなりません。
『今』を楽しくエンジョイできる人生になるか、それとも節制だらけの苦しい人生になるか、それの介入をするわたしたち次第だということです。同じ「予防医療」としてのゴールがあるとしても、それに到達する方法はたくさんあります。若くてやわらかいアタマで、もっともっと広い視野での提案をしてあげてほしいものです。
くどいようですが、あなた方が学生のころの教科書理論や職場の先輩たちに教わったりどこかのエラい先生が教えてくれた栄養理論や行動変容理論にこだわっていてもしょうがありません。何故なら、日本中の予防医療の精鋭たちがそんな理論を実践しているのに、生活習慣病は増加の一途なのです。遠い昔からある理論が、屁のツッパリにもなっていないことを物語っています。人間は、理屈通りには動きやしないのです。ヒトを動かす有効な手段は、これからあなた方が見つけ出してください。世界中でそれを待っています!
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