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ニュースキャスター(後)

別に、番組やF氏の批判をしたくてこれを書いたのではありません。むかしは好きだったF氏の口調がイヤになった。することすべてが大好きだった恋人のしぐさの小さなことがイヤになり始めると何もかもがイヤになって、「会うのもイヤ!」となるのが恋の破局のきっかけだったりしますが、そういうことを書きたいのでもありません。

わたしたちも、ことばの表現で相手を動かす仕事をしているわけで、自分の話し方はどうだろう?と考えるわけです。行動変容に対する生活指導・・・この仕事を始めたころ、抱え込んでいる危険性をとことん冷たい口調で脅して不安を煽るのが一番効果的だと思っていました。「今の状態を甘く考えているようですが、この状態は今日の帰りに心筋梗塞で倒れたとしても誰も驚かないよ!という意味ですよ」という云い方がわたしの殺し文句でした。顔色が変わるほどの大きなショックを受けて診察室を後にした受診者さんが、保健師の部屋で慰められ、一大決心をする!という流れが、保健指導の王道だと思ってやっていました。だからいまだにわたしは「結果説明が厳しい!」と思われており、「先生にガツンと云ってもらいたいからこの人の説明を願いします」という依頼をよく受けます。

でも、今のわたしはそんな云い方はしていません。事実は事実として説明しますが、とっても優しい口調です。うちの医師の中で一番辛辣なことを云っている割には一番優しいかもしれません。やろうとしているけどできないのです。それは「考えが甘い!」のではないことを知っています。だから、うまくいかない理由を考え、どうやっていくといいだろうかと本人と一緒に考えることにしています。あれ?叱られなかった・・・と肩透かしを食らわされるとこれが返って不安になったりしますが、そんな効果を期待しているからそんな云い方になったのではありません。かつての自分の云い方を、もし自分が聞いたらどうか?と考えたとき、とてもイヤな気がするだろうな!と思ったのです。それは自業自得だからしょうがないのかもしれない。でもそんなことはわかっているけれど、わかっているからこそ他人にそんな云い方で云われなくてもいいじゃないか!と思ったのです。自分がイヤな云われ方はもちろん他人もイヤなはずだから・・・そう思って試行錯誤している日々なのですが、まだ一番良い方法が見つかりません。

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