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医療の定義

新しい特定健診・特定保健指導の研修会に出席していたときに、明快な説明をしていただいた東海大学の高橋英孝先生のお話の中で、最後に気に懸ったのは、「医療の定義」のことでした。

第一期特定健診・特定保健指導の結果、健診受診率は徐々に増えており、一方で支援(積極的・動機づけ)対象者の数(割合)も実施率も徐々に減ってきていますから、一見この特定健診の制度は功を奏したかに見えます。でも、メタボリックシンドロームやその予備群の割合は26~27%で、ほとんど変わっていません。つまり、保健指導の成果で内服治療を開始したことによって特定保健指導の対象者リストから外れた人が増えただけだということです。高橋先生はしきりにそれを気にしており、メタボ自体を減らせないと医療費削減にはつながらない!と強調されました。

まあそれはそうですけど、腹囲でメタボに入れられていても本当はメタボではない人(内臓脂肪蓄積ではない人)は少なからずいるわけで、そういう人がきちんと治療を受け始めてくれたことはすばらしいことなんじゃないのかなとも思います。「太っている人はとにかくやせないと解決しない」という大元の考え方が本当にそれでいいのか?という疑問がわたしにはあります。

また、最近幅を利かせている健康食品や特保食品がどの程度把握できているか(健康食品は薬ではないと皆が思っています)、あるいはもっと深刻な問題として薬剤のOTC化・・・生活習慣病に関連する薬剤の多くがOTC化して行こうとしています。OTCは病院の保険診療で飲む薬でないので服用の有無を客観的にまったく把握できません。本人がそれを申告しない限り薬剤治療中なのかどうかすらわからない中で統計学的な意味はあるのかどうか。「医療」の定義にかかわる根本の問題です。

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