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卒業

人気アイドルグループで初期メンバーの”卒業”セレモニーが続いています。人知れず辞めて行った少女たちと違い、多くのファンの惜しみない拍手と涙の中で辞めていく彼女たちは、みな揃って清々しい顔をしています。

ほんの数年前、社会現象を引き起こすほどの存在になり、少女たちはその大きなうねりに巻き込まれて翻弄されているように見えましたが、それを乗り越えて逞しく成熟していきました。どの世界でもそうですが、成熟した組織は、次の進化のために変化します。それができなければ衰退し消滅するのが自然の摂理です。たしかにメンバーの入れ替わりが始まったころから人気は他のグループに移っていくのも必定。そんな中、グループを卒業していく人間に華々しいスポットライトが当てられますが、そのときに重要なのは、じっと残って組織を守る立場を選んだ人たちの存在なのだろうなと思うのです。人気競争に勝ち残ったという思いよりも、一人取り残されたとか自分にだけ重荷がかかって大変だとかの思いの方が大きいと思いますが、煙たがられながらじっと残って組織の骨組みを守ってくれる彼らが居るから、組織は伝統を守りながら次のステップに進むことができます。「そんな無責任な」とグチりながら、それでも自分は次のステップの足場がきちんと出来上がるまではここに残らなければならない運命だということを、きっと自らが悟っているように思えます。

そんなアイドルグループの若い娘たちの輝く姿を眺めながら、一般社会の大組織の姿もまた同じようなものなのだろうと思う次第です。

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