活動中の血圧
「家ではいつも120/70mmHgくらいなのに健診に来たり病院に来たりするとすぐ高くなってしまう」
むかしからよくある『白衣高血圧』の方の主張です。だから高血圧ではない!と主張する方々には、日常が良いから薬剤治療の必要性はありませんが、白衣高血圧の方の約1割は10年後には本当の高血圧症に移行しますから、「自分は高血圧の治療をしている」という意識を持って日ごろの生活療法を行ってください(つまり、減塩や有酸素運動や良質な睡眠・ストレスのない生活など)、というはなしをしてきました。
来年、日本高血圧学会の治療指針が改訂されますが、今の血圧の考え方をみなさん今一度再認識させておいてください。「日常の血圧」とは、別に「リラックスして10分くらい安静にして万全を期したときの値」ではありません。毎朝(あるいは毎晩)同じ条件で、深呼吸をしてから測ったらいつも正常だから・・・という白衣高血圧の方は特にご注意ください。知りたいのは日常生活の活動をしているときに上がりすぎていないか?ということなのです。安静時の成績発表は、「高血圧症」の診断をつけるためには必要ですが、治療の指標と云う点ではひとつの参考値でしかありません。日常の仕事というストレスがかかっているときにどの程度上がっているのか、朝起きてすぐに睡眠時無呼吸などの影響を受けていないか、仕事帰りに疲れ切って血圧があがっていないか、役場に出向いたときには血圧は上がっていないか、ジムに行って着替えて運動する直前(後は下がっていて当たり前)は高くないか・・・知りたいのはそんなときの血圧です。だから、「いつも一定の時刻に」とか「安静に深呼吸して」とかいう血圧測定の心得みたいなものにあまりとらわれないでいただきたいと思います。
血圧は「いつかなるときにも上がってはならない」が大原則です。
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