冠動脈石灰化スコア
「冠動脈石灰化スコア、密度スコアを加えることでリスク予測能上昇/JAMA」
配信されてきたCareNet(2013.12.02)によると、「冠動脈石灰化(CAC)容積スコアと冠動脈性心疾患・心血管疾患イベントリスクには正の関連が、またCAC密度スコアと同イベントリスクにはCAC容積値とは独立した有意な負の相関関係があることが明らかにされた」とあります。JAMA誌オンライン版2013年11月18日号掲載の報告だそうで、具体的なサマリーが書かれていました。
字面を追いかけながらも、わたしの中でこの手のデータにどうしても食指が動かないのが分かります。数か月前も、冠動脈石灰化スコアを臨床現場で計測している近くの先進的な病院に見学に行きました。健診の新しいメニューに入れられないかを検討するために。しかし、「これが分かって、何になるの?」というわたしの疑問にまだだれも明快な答えを出してくれません。簡単に云えば、「冠動脈に石灰化が強いほど狭心症や心筋梗塞などに罹る危険性が高い」から、そういう人たちは厳重な動脈硬化危険因子の是正に努めるべきである、というのでしょ。人間、なかなか行動変容できないから、ビジュアルに訴えてショックを受ければ自分で頑張る(きちんと生活療法をするとか、忘れずに薬を飲むとか)きっかけになるでしょ、ということでしょうか。
でも、結局はリスク評価です。そこに石灰化があると高い確率で心筋梗塞になるとしても、一生懸命がんばってもその石灰化は消失しませんから、そのリスクは一生軽減しない(頑張らなければ悪化するのかもしれませんが)ことになります。全然頑張らなくても心筋梗塞にならないひとはたくさんいますし、石灰化がなくても心筋梗塞に罹るひともいます。わたしの冠動脈にも石灰化がありますが、それを見て修行僧のような人生を歩み始めたかというとそうでもありません。むしろ気味が悪くなって運動をしなくなりました(笑)。
結局、専門医・学者さんの学問上の興味の域を脱しないような気がしてなりません。
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