ノロウイルス
この冬のノロウイルスの猛威は尋常ではありません。何が起きているのでしょう?
むかしからこの季節の腸炎はノロかロタ。小児科外来はそんな患者さんとインフルでごった返すのが日常茶飯事でしたが、ここまで集団発生したり営業停止になる店が出たりするような特殊なウイルスではなかったはず。オトナの場合はせいぜい「牡蠣に当たった!」とかいう場合に耳にする名前レベルではなかったでしょうか。年末からわたしも激しい水下痢に悩まされましたが、あれはノロではなくてロタだったのでは?とも云われましたが、オトナになって感染するとは思ってもいませんでした。
これだけ衛生観念が行き届いていて、食品を扱う従業員の衛生管理もマニュアル化している中で、たしかに徹底できていなかったとかトイレなどに盲点があったとかいわれながらも、それでも一昔前とは比べ物にならないほど徹底した衛生管理が行われています。食べる側も特に子どもたちの手洗い指導の徹底ぶりはわたしたちの子どものころとは別物です。にもかかわらずこれだけの大量感染を起こす理由。
人間側の免疫力の異常な低下か、それともウイルス側の想像以上の猛毒化か?どっちもあるのでしょうが、わたしはやはり前者の方が強いような気がしてなりません。衛生観念の必要以上の徹底ぶりが子どもたちから免疫力の自浄作用を奪い取り、お母さん方のあまりにも神経質なちょっと間違いに近い消毒意識が巻き起こした現代病なのではないか?という気がします。日本人は、コトバとしては”中庸”が好きなくせに、行動として”ほどほど”ができない人種。「過ぎたるは及ばざるがごとし」は他人には勧めるがあくまで机上の空論で、自分は常に「備えあれば憂いなし」「転ばぬ先の杖」とばかりに過剰防衛してしまう、何かそのしっぺ返しのような気がしてなりません。
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