« 適材適所 | トップページ | 「日本人でも糖質制限食は有効」 »

「目標体重」

2010年から依頼されてきたコラムが今回最終回を迎えました。長い間、お世話になりました。ま、書いてあることは、ここで何度も書いてきたことの組み合わせです。

**********************

『目標体重』

「私の理想体重は○○kgだからあと●kg減らしたい」「あなたの体重はあと△kg減らすと目標に達するから頑張りましょう」・・・メタボ健診が始まるはるか前から、体重は人類の最大の関心事であり、現代社会では減らせる人間がほめられます。健診現場には「理想体重」があり、各人が自分の目標体重を設けてそれを達成すべく行動計画を立てます。そして日々血のにじむような努力をしています。

物事のバランスはインとアウトの単純な引き算です。どちらかが多くなれば自然とどちらかに傾きます。お金の場合は稼ぎと使う量が変わらない限り貯金が貯まる一方か破産するかのどちらかです。でも、体重はそんなに単純ではありません。ズレたバランスを修復するまでは変化しますが、同じことをしていけば必ず平衡点に達します。毎日激しく運動して食事量を極限に減らしたとしても体重がいつまでも減少することはなく、どこかで横ばいになります。そこがそのパフォーマンスの到達点です。でもこの平衡を保つためにはその生活をずっと続けなければなりません。「あと2kg減らせば目標に達するからもう少し辛抱して頑張りましょう」と激励する姿を見かけますが、それ一生続けない限り維持できませんけど、本当にやれますか?

「頑張っているけどなかなか目標体重にたどり着けない」と悩んでいる方がたくさんいますが、その目標体重って何ですか?「理想体重」から割り出した値?こうなりたいと思い描く体重? では、「理想体重」って何ですか? BMI=22になる値? 腹囲が85cm以下になる値?・・・その値自体が間違っているのでは?と思ったことはありませんか。同じ身長、同じ性別、同じ年齢なら理想体重が同じという発想に無理があることはみなさん絶対感づいていますし、理想体重はその筋肉量や代謝量や生活様式や体質で変わるだろうこともみんな知っています。理想体重は各人各様のはずです。ではそれをどうやったら知ることができるか?それが平衡です。自分なりに節制してまあまあ良い感じのシルエットになって体調も良くなったのにあと少しが落ちないという方。減食も運動も自分なりに頑張っているのに増えも減りもしないという方、あるいは逆にもっと太りたいけど体重が増えないと悩んでいる方、きっとそこがご自分の身体が求める理想像です。努力が足りないのではありません。ふさわしくない努力をすれば必ず体重がどちらかに動きますから、平衡状態から減り始めた時こそむしろ注意が必要なのかもしれません。

計算式で求めた数字が理想値だとは限らないと頭では分かっていても、目の前に数字を示されると何とかその値をクリアせねばと思います。クリアできるのが「出来た人間」で、できないのは「ダメな人間」と思われがちですが、自分の体調が良好で、歳をとっても数値が全然変わらないのだとしたら、それは自分の身体が求めた理想像でいけている証だから、あまり気にしない方がいいと思います。

|
|

« 適材適所 | トップページ | 「日本人でも糖質制限食は有効」 »

心と体」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 適材適所 | トップページ | 「日本人でも糖質制限食は有効」 »