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25時間周期のウソ(前)

<参考:『8時間睡眠のウソ。 日本人の眠り、8つの新常識』(日経BP社、三島和夫、川端裕人著)>

「地球の周期が24時間なのに体内時計が25時間周期になっているために放っておくとリズムがずれてくる。それを修正するのが朝日であり、網膜の中にあるセンサーを通して視交叉上核にある親時計のリセットができる。だから朝日をきちんとあびれないと起きれなくなるんです」・・・わたし、偉そうにずっとそう講演してきましたよ。今さら、「あれはもう否定さているんです」って簡単に云われても、ねえ。

最近の研究で修正されたのかな?と思いきや、「25時間周期と言われていたのは20世紀の話でして、現代的に洗練された方法できちんと測ると、体内時計の一日の周期の平均は、実は24.18時間(24時間11分)。(中略)私たちが測定した日本人の周期は24.17時間(24時間10分)とほぼ同じで、24時間にかなり近いんです。」と・・・。愕然です。1999年に最初に発表されたそうです。これが平均であり、これを中心にして正規分布するこの時間のバラつきに個人差があることが何かと問題になります。24時間に近い人は毎日苦労しなくても同じ時間に眠くなるし、目覚ましをかけなくても起きられるのですが、24時間より長いヒトは気を抜くとどんどん夜更かしの方向にずれていくのだそうです。後者は放っておくとどんどん夜型になっていくパターン(これが真の「夜型」)ですが、前者はたまに夜型生活をしたとしてもすぐに朝型に戻せるパターンなのだそうです。

現代人は眠らない・・・TVが24時間放送され、インタネット環境やコンビニや誘惑が多くてつい夜更かししてしまうから? 実は、主たる原因はそれではないらしいのです。現代人は「眠らない」のではなくて、「眠れないのだ」と三島先生は教えてくれています。24時間周期に近いヒトには分からない苦労が24時間より長い周期のヒトにはあるのだということを知りました。これは遺伝的な原因なので、朝日を浴びて体内時計をリセットさせるだけでは解決しない問題なのです。    (つづく)

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