« 何を信じたらいい | トップページ | 酒の飲み方 »

基準値は本当に正常値なのか

健診の診断基準が見直され、各学会の治療ガイドラインも変わっていく中、基準値をはずれている検査項目をなんとか基準値内に収まるようにと保健師さんや栄養士さんたちが躍起になる季節がやってきました(まあ、健診はいつの季節でも同じではありますが、やはり年度初めはみなさん張り切っておられる)。今年も生活習慣病のメカニズムについての講演を頼まれて、これから少しずつ準備を始めることになるのですが、徐々にこの行為(数値の修正行為)は本当に必要なのだろうか?という疑問符から逃れられなくなってきている自分がいることに戸惑いを隠せないでいます。そんなわたしが講義をしてもいいものなのだろうか?と。

基準値は正常者と称する集団の平均値なのであって、それは必ずしも「正常値」とは限らない、ということはむかしここでも書きました。ずっと変化のない高値は、背の高い人に文句をつけいるようなものだ!と。あるいは、がんばって生活改善を尽くしても基準値に達しないのはカラダがそこでいい、と云っているのだからそれでいいのではないか、とも。

それでは、がんばって基準値内に収めることができたヒトはどうなのか?「生活を見直すいいきっかけになった」「自分はやればできるんだ、と自信につながった」「この機会を与えてもらって、あるいはいろいろとアドバイスをいただいてありがとうございます」・・・やった側も勧めた側も賞賛と歓喜の嵐・・・達成感に浸っているのはいいのですが、それが今後ずっと続けられるとして、その値は自分にとって本当に必要な値だったのか?となったら、何とも云えません。基準値より若干高めがそのカラダの落ち着くべき位置、というヒトにとって、基準値以下は本来より低すぎる値になり、それが続くと体調を悪くしたりなんかしないのだろうか?「おかしいなあ、ちゃんと良い値になったのに何か調子が悪いんだけど」なんてヒトは、いないのだろうか? その個体のあるべき位置を、平均点の論理で無理やりずらしてしまっているヒトとか、いないのだろうか?

|
|

« 何を信じたらいい | トップページ | 酒の飲み方 »

心と体」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 何を信じたらいい | トップページ | 酒の飲み方 »