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数値に一喜一憂してもしょうがない(後)

わたしはもともと結果説明をするときにデジタル的な値の線引きを考慮してないので、基準値が変化しても説明の仕方も判定の仕方も変わりません。たとえばLDL180。同じ数値でもずっと高い人と去年までは低かったのに今年急に上がった人とは違う。食事が野放しの人と節制を繰り返してきた人とは違う。他に危険因子を持っているか否かでも違う。今年急に変化したのだとしたら、「なぜだろう?」とご本人と一緒に考える。閉経したからか、上京していた息子夫婦が帰ってきて一緒に住むようになったからか、夜勤が増えたか、糖尿病が出始めたか。健診判定が「経過観察」や「再検査」の人は生活の見直しをしましょう!ということ。「要精密検査」や「要治療」は努力の成果を評価してアドバイスをくれる信頼できるかかりつけ医を持ちましょう!ということ。ただそれだけのこと。

そのうち学会が正式発表するでしょう。他の学会からの意見も吸収して正式に変更をすべきとなったら施設としての基準値を考えればいい。近年の予防医学は未病の概念で進み、ドック学会自らが”正常高値”の概念を前面に打ち出しておきながら・・・と悪態をつく人もおりましょうが、大局的になんら変化はありません。予防医学に従事する方々は、あまり値に踊らされ過ぎずに信念を貫いてほしいと思います。ずっとがんばっているのに下がらなかった人には福音かもしれません(『がんばっても変わらないのはそのカラダがその数値を求めているから』に他ならないだけだと思います)が、それ以外はあまり違いがありません。デジタル数値にとらわれすぎる純理系人間の方は、考え方を見直すいいきっかけになれたらいいな、と思います。

こういう情報を知っておいてそれに対する自分の意見を持っておくことは大切です。受診者にお話をするときに全然違います。その上で、現時点での自分の意見を貫いたらいい。説明者によって判定が違うのはいかがなものか?と嫌がる人もおりましょうが、それこそが裁量権だと思います。

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