レスベラトロールは買いかぶり?
いわゆるフレンチパラドクス(フランス人は高脂肪食を好む食生活なのに心筋梗塞が少ないこと)で有名になった赤ワイン。特にその中のレスベラトロールの効果だと云われてきました。だからレスベラトロールのサプリがたくさん出回っていますし、「日頃からアブラまみれの食生活をやめられない現代人のあなたに福音というべき物質」が謳(うた)い文句だったはずです。そういう、努力なんか大嫌いな方々へ、あるいはそういう人を食い物にしたいメーカーの方々に警鐘を鳴らしたかったのでしょうか?
米ジョンズホプキンス大学(ボルチモア)のRichard Semba教授が、「赤ワインやブドウ、チョコレートなどに含まれるレスベラトロールで寿命が伸びることはなく、心疾患やがんのリスクも低減しない」と報告しました(JAMA Internal Medicineオンライン2014.5.12)。だから、食べたいだけ食べた上でレスベラトロールを取ったところで死亡、がん、心臓病が減少するとはいえず、結局は「野菜中心のバランスの良い食事と定期的な運動に勝るものなし」という、きわめて陳腐な(というか、とても普遍的な)ことばに集約されてしまうようです。もっとも、この研究はあくまでも食事によるレスベラトロール摂取の検討であり、サプリなどのように大量に濃縮させた状態での摂取は別物なのかもしれません。そうなるとまったくもってメーカーの思うつぼになりますが、どうでしょう。
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